2010年バンクーバー五輪銀メダリストで、元フィギュアスケート女子の浅田真央が9月11日放送の「日曜日の初耳学」(TBS系)に出演し、自身がフィギュアの解説に向かないと考える理由を語った。
2017年に現役を引退した後は、主にアイスショー公演のプロデュース、出演、振り付けなどを精力的に行なっている浅田。一方で、ともに女子フィギュア界を盛り上げてきた安藤美姫、村上佳菜子、村主章枝らが解説を生業とする中、浅田だけは解説者としての活動をしていない。
その理由について振られた浅田は「自分が本当にやりたいと100%思えなかった」とし、「ルールがあまり詳しくない」とも告白。さらに「ルールが100%の自信を持って皆さんに解説できないというのと、あと、なんかすごいんです。今、皆さんジャンプの回転が早いので、自分で見ていて3回転だなと思ったら4回転だったりするんですよ。なので、私はもう解説に向いていない。滑っていたほうが自由にできるので」と、確信を持って選手のジャンプを説明することができないと感じているというのだ。
誰もが気になり、期待もしていた浅田の解説者としての活動だが、20年1月1日放送「欽ちゃんの『今年ど~するの!?』」(BSテレ東)でも、タレント・萩本欽一との対談中にこの話題に言及。萩本から解説に関する質問を受けた浅田は「喋ることがあまり得意じゃなくて。人のことをあまり話すことにも、心の中でストップがかかっちゃうんです」と話していた。萩本は「いいんじゃないですか、真央ちゃん流で。『どうでしたか、今の滑り』『最高じゃないですか』『コケちゃいましたね』『いいコケですよ』っていう、絶対に相手にケチをつけない解説ってのも新しいじゃない」と浅田流の解説スタイルを提案していた。
「状況を言語化させるのがあまり得意ではなく、自らの現役時とはジャンプのスピードも全く異なると語った浅田に、世間からは『自己分析できてるのが偉いと思う』『安易にオファーを受けないのは賢明です』『現役時代はあれだけ頑張ったんだから、今は真央ちゃんのやりたいことをやればいいんだよ』など、飾らない回答を讃える人が多かった。また、解説者ではなくとも、アイスショーの公演でフィギュアスケートの魅力を広めている浅田の現在の活動を支持する声も聞かれました」(テレビ誌ライター)
姉とともに5歳からフィギュアスケートを始め、長く国を背負う重圧と闘い続けた浅田。引退後は肩の力を抜き、自由にできるというショーの盛り上げに尽力することが彼女にとってはベストな環境なのかもしれない。
(木村慎吾)