日本テレビ系「キユーピー3分クッキング」といえば、1962年から続く長寿料理番組。キャッチコピーは「簡単・便利で毎日の献立作りに役立つ、 おいしいレシピ満載!」というものだが、実は料理初心者にとっては全くもって難易度の高い番組であることをご存じだろうか。
たとえば、9月26日放送の「ひよこ豆とソーセージのグラタン」。ホワイトソースを使わずに作れる、手軽に作れるグラタンと言いながらも、最初に紹介された材料が、生クリーム200mlに牛乳1/2カップ。え? なんで同じ液体なのに、単位違うの? 1/2カップって何ml? カップってジョッキじゃだめ? 塩小さじ1/4ってどんだけ? さらにさらに、おろしニンニク1/2かけ分ってチューブだと何センチぐらい? といった、次々と現れる統一感のない単位に大混乱。家に計量カップや計量器、計量スプーン、さらに料理カンがないと、初心者には材料を準備するだけで大変な状況となっているのだ。
ちなみに9月10日放送の「バインミー」はベトナムのサンドイッチ。当然だが、ニョクマムまたはナンプラー、オイスターソース、豆板醤に香草と、ベトナム&中華料理のソースやハーブなどが必要。これ、1から揃えて次に使うのいつ? アジア料理好きかつ、料理上手な人のキッチンにはあるかもしれないが、料理初心者が1品作るために揃えるには材料費だけでどんだけかかるの? それなら作らずに完成品買います~となってしまうのだ。
「ニンニクやショウガ1かけ、というのは料理レシピでよく出てくるフレーズなので、料理慣れしてくれば問題ないし、計量カップや計量器、計量スプーンは100均でも売っているので、今後料理するなら揃えておいていいでしょう。それよりも、料理初心者にとっては、番組に度々登場する耐熱のゴムベラや蒸し器、オーブン機能付きのレンジなどがなくて挫折してしまいそうな気がします」(料理番組ウォッチャー)
別のテレビウォッチャーが言うには、
「そもそもキユーピー3分クッキングは、毎日料理を作る奥様が献立を何にしようか困った時のお助け番組。料理初心者向けじゃなく、毎日作る人向け。本当に料理初心者で参考にするなら『DAIGOも台所~きょうの献立何にする?』(朝日放送テレビ)を見るのが正解」
ちなみに、「DAIGOも台所~きょうの献立何にする?」で9月26日に紹介したのは「牛肉の柔らかビール煮」。こちらは分量が牛肉薄切り20枚(400g)、ビール200mlなど、gまたはml、大さじ、小さじなので、3分クッキングに比べてわかりやすい。
がしかし、「DAIGOも台所」でも初心者には厳しい壁が。それは、塩、コショウ、小麦粉、サラダ油、これらが「適量」だということ。ビギナーにとってこの適量というのが一番キツい。テレビを見ながら、“あ~これぐらいね”というのを確認しないと、適量の正解は食べてみるまでわからないからだ。
それでも「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」時代よりは、ものすごく初心者向けにリニューアルしてわかりやすくなったのが「DAIGOも台所」。DAIGOが突然先生たちにぶつける、“DAIGOの奥さんクイズ““娘クイズ”に心の中でツッコミを入れつつ、レシピにある「適量」が感覚でわかるようになれば、初心者を脱出したと言えるのかもしれない。
(ロドリゴいしざわ)