建設計画が白紙撤回された新国立競技場で、予算圧縮や工期短縮のため、使用目的からコンサートを除外する方針が明らかになった。自民党からは競技場の新設を行わないという選択肢も提案されている。これに怒り心頭なのが、嵐のファンだ。
「だって新国立競技場が完成したら、そのこけら落としは嵐だってずっと言われてたじゃないですか! アラフェスでは櫻井クンが、『同じ夢を、これからも見ていきましょう!』って言ってくれてたのに、今さらコンサートには使わないだなんておかしいです!」(30代の嵐ファン)
これまで国立競技場で単独ライブを行ったアーティストは6組のみで、嵐は最多出場回数を誇っている。だが今後はコンサートが開催できないとなると、最後に公演したアーティストという肩書はAKB48のものとなる。これでは嵐ファンの怒りが収まらないのも無理はない。
ただ、コンサートには使わないという政府方針も、結局はなし崩しになるという見方も強い。コンサート事情に詳しい音楽関係者が教えてくれた。
「そもそもコンサートは、場所を選ばずどこででも開催できるんです。日本武道館や代々木第一体育館はもともと、コンサート利用を一切考慮していなかったはずですよね。味の素スタジアムや長居陸上競技場ではa-nationが開催されていますし、何もない原っぱでも野外フェスが開催できるんですから、新国立競技場でコンサートができない理由はありません」
また、どんな競技場を作ったとしても、巨額の維持費がかかることに変わりはない。日産スタジアムでは年間7億円、味の素スタジアムでは10億円以上の費用がかかっており、新国立競技場でも同程度の維持費は不可避だろう。これをスポーツイベントでの利用料だけでまかなうのは到底無理な話だ。
「スタジアムの利用料は、コンサートでは1日1000万円以上になります。会場によってはチケット総収入の数%というところもあり、この場合は数千万円というケースも。こんな巨額の収入をみすみすフイにするようなことは、コスト削減という観点から言ってもあり得ないんじゃないでしょうか」(前出・音楽関係者)
いずれにせよ、新国立競技場でも壮大なコンサートを観ることができるようになれば嬉しいことだ。そのためにも嵐ファンは2020年まで、ファンを辞めるわけにはいかないだろう。
(白根麻子)