今期のNHK朝ドラ「舞いあがれ!」は、ジャニーズファンにとってたまらないシリーズとなりそうだ。
大人になったヒロインの岩倉舞(福原遥)の3歳年上の兄・悠人を演じるのは関ジャニ∞・横山裕。舞が航空学校で出会う同期でエリートパイロット一家の息子・柏木弘明を演じるのはSnow Man・目黒蓮。現役ジャニーズが2人同時に出演するのだ。
横山はジャニーズ歴およそ25年で初の朝ドラ。大阪府出身の横山は、地元の大阪を舞台にしているシーンの出演とあって、素のままで演じることができる。合理的で自信家、若くて肝が据わっている野心家という役は、中学生から芸能活動を始めて今なお第一線で活躍している自身とかぶるところがあるのかもしれない。
俳優として国民的朝ドラに出演し、グループでは全国ドームツアーやスタジアムライブをできるまでになった。そんな現状をもっとも報告したい女性は、亡き母の美奈子さんであるに違いない。
ジャニーズ事務所に履歴書を送ったのが美奈子さん。長男が中学3年生になったとき、「働け!」と命じて入所させたという。
「横山はひとり息子として育てられましたが、両親は離婚。お母さんは再婚しましたが、横山は祖父母に預けられました。後に横山は母と義父との生活を始めましたが、義父から虐待を受けたことを明らかにしています。中学卒業後は建設会社に就職して働きながら、関西ジャニーズJr.の活動をしていました」(アイドル誌ライター)
96年に入所。02年12月にグループが結成された。横山にとって母は鉄板ネタで、「美奈子ってほんまにバカなんですよ」とたびたびライブでトーク。「家でスッポンポンで出てきたり。おっきいアンダーウェアをはいてても、美奈子がはくとTバックになる」など、大阪人らしくイジっていた。
強い愛情を歌詞にしたのが、関ジャニ内ユニット・三兄弟が歌うバラード「オニギシ」。「母が作る、ちょっとしょっぱいおにぎりが大好きだった」という思い出を中心に、幼少期の親子関係を表す歌詞は、横山が手掛けた。子どものころ、「おにぎり」と言えず「オニギシ」と発していたことがタイトルの由来だ。
ところが、美奈子さんは50歳の時、スーパーに買い物へ行った際に突然倒れ、そのまま意識が戻ることなく虚血性心疾患で急逝。横山は、全国14カ所を周るソロコンサートの真っ最中だったが、休演せずに青森公演を涙ながらに乗り切った。
美奈子さんが生きていたら、すでに還暦を超えている。横山家の大黒柱が朝ドラで関西弁を話している姿を観たら、何を思っただろうか。
(北村ともこ)