KALDIで寒い季節になると、色々な種類が販売されるグリューワイン。ドイツの冬定番のホットワインで、シナモンやクローブなどのスパイスや果物を入れて温めて飲むもの。購入したのは「ラプンツェル グリューワイン(赤)」税込1111円。内容量は1000ml。ラプンツェルってあの塔の上のラプンツェル? グリム童話はといえばドイツだから? にしてはラベルに描かれている女性の髪の毛が短いと思う。
ボトルに貼られた表示を見ると、原産国名ドイツ、原材料には赤ワイン、砂糖、香料、酸化防止剤。アルコール分は10度。ジャンルは「甘味果実酒」。〈ドイツ伝統のオリジナルレシピに従い、赤ワインにシナモンやクローヴ、アニスなどスパイスの香りと、オレンジやレモン、ブルーベリーなどフルーツの香りを加え、砂糖でほのかの甘さを加えて造りました〉と書かれています。
かたや、コストコで通年販売しているサングリア。コストコのプライベートブランド、カークランドシグネチャーのものです。サングリアとは、スペインやポルトガルで飲まれている、赤ワインに果物やシナモンなどのスパイスを入れたもの。こっちの原産国はスペイン、アルコール分は6%、添加物は酸化防止剤、乳酸、香料でジャンルは「果実酒」。こちらは内容量1.5Lでコストコオンラインの場合1148円。
コストコオンラインのサイト内での説明によると、〈高級なブドウ、地中海のスパイス、スペインの天然バレンシアオレンジエッセンスからつくられたとても飲みやすくておいしいサングリアです。スペインの素敵な夏を表現しています〉と書かれています。スパイスが何なのかが全くわからないのが気になる。地中海のスパイスって? でもまぁ、入っているとしたらシナモンだろうなぁ。
サングリアはグリューワインより500ml多くて、値段はたった37円差。といってもこの値段はオンライン価格なので送料込みの価格。コストコの倉庫内ではもっと安いです。アルコール分が10度と6%という差もあるけれど。ちなみに、アルコール度数の度と%は表記の違いというだけで同じ意味なんだそうです。
ということで、両方ともワインにスパイスやフルーツを入れたもの、ということは一緒。どんな違いがあるの? と、そもそもお酒に強くない、そしてワインのことをロクに知らないド素人だけど飲み比べてみました。
まずはグリューワイン。温めて飲んだのですが、ハーブがしっかりきいていてとっても口当たりがマイルド。温めたこともあり、香りがより鼻に抜けていく感じ。甘さが強く、酸味や苦味はあまり感じません。香りと甘味がドーンとやってきます。おそらくですが、アニスが強い。シナモンやクローヴよりもアニスの酒、薬草酒を彷彿とさせるような感じ。子供用のシロップの薬にも近い気がする。そして一気にあったまる! 冬はありえないほどクッソ寒いドイツで、夜に外で楽しむならビールより断然グリューワイン。アルコール&強めのスパイスで、体の中からブワッとあっためるんだろうなぁ。
そして、コストコのサングリア。こっちはさっぱり、優しいブドウのお酒~という感じ。グリューワインに比べ、ワインならではの程よい酸味、ほのかな甘味を感じられます。スパイス感はかなり低め。というかグリューワインがスパイス感強めだったのに対し、こっちはワインを気軽に飲みやすくするために多少入っているのかな? という程度。ワインにフルーツ入れたら、ちょっとぶどうジュースっぽくなったよ、みたいなゴクゴク飲めちゃう味わいです。だから飲みやすさは断然サングリア。甘いのがあまり得意じゃない人だと、グリューワインは別な意味でチェイサーが必要かもしれません。
スペインの陽気な夏に飲むサングリアと、ドイツの厳しい冬に飲むグリューワイン。しいていうなら、みんなで集まってわいわい盛り上がって飲むのがサングリアで、冬の夜空を眺めながら、一人ほっこり飲むのがグリューワイン…というイメージ。赤ワインでスパイスでフルーツで、までは一緒だけれど、まーったく違うものだったこの二つ。比べようとするのがそもそも間違いだった、という反省した気持ちになる飲み比べでした。
(ロドリゴいしざわ)