「コア視聴率」をめぐる、2人の大御所お笑い芸人のコメントが注目となっている。
およそ9年間、日曜の朝10時枠を争ってきたTBS系「サンデー・ジャポン」とフジテレビ系「ワイドナショー」。爆笑問題とダウンタウン・松本人志という、売れっ子のお笑いタレントがそれぞれMC、コメンテーターを務める情報番組だが、その視聴率について、松本は最後の出演となった3月19日放送回で次のように述べ、悔しさを露わにした。
「ずっと、裏(番組)の『サンジャポ』に“視聴率で負けてる”ってニュースにされてきたけど、全然逆やからね」とすると、「『サンジャポ』をやっている人には申し訳ないけど、コア視聴率で、ずっとウチはダブルスコアで勝ってきたのに、“サンジャポに負けてる、負けてる”って言われて」と、コア視聴率では“圧勝”していたことを「サンジャポ」側を挑発するかのように強調したのだ。
「松本がこだわる“コア視聴率”とは、商品やサービスの購買・消費活動に積極的な層とされる13歳~49歳の個人視聴率を指すもので、昨今の多くのテレビ番組はこのコア層をメインターゲットにしつつあるのは確かなようです。そして、松本は最後に『ネットニュースの人は視聴率のことを書くなら、今いちばん重要なコア視聴率をちゃんと勉強して書いてもらいたいなと思います』と呼びかけ、ニュースで言及されることの多い“世帯視聴率”ではなく、“コア視聴率”で比較をするよう要請しました」(テレビ誌ライター)
松本から「ダブルスコアで勝っている」と名指しされた格好の「サンジャポ」では、翌週の3月26日放送回で、MCの太田が反応した。番組冒頭「皆さん、あの、今週からコア視聴率を上げていきましょう」と口にし、スタジオには笑いが。太田は続けて「そうしないと裏で何を言われるかわかんないんで」とカメラを見ながら訴えたのだ。
「そもそも、幅広い年齢層に情報を届ける必要がある報道番組が、そのターゲット層を“50歳以上か以下”で分けることに意味があるのかは疑問が残るところでしょう。また、“世帯視聴率では負けてるけど、コアではダブルスコア”という事実を、怒りをにじませて強調した松本と、ユーモアで軽く返した太田には、世間からの評価も対照的になっています。前者に『最後の最後にそんなことしか言えないのはダサい』『世帯視聴率で負けてることの言い訳に必死』との声があったほか、笑いで切り返した太田には『自尊心よりも笑いを優先した』『今回は太田のほうが芸人魂があったね』と評価する人が多かったですね」(前出・テレビ誌ライター)
公然と自身の番組名を引き合いに出された形の太田にも、言いたいことは多くあったはずだが、“マジレス”はせず笑いを取った。太田の振る舞いのほうが“よけいなことを言わず潔くてカッコいい”という声が上がるのも無理はないと言えるだろう。
(木村慎吾)