この使い方はさすがに贅沢に過ぎるというものだろう。
4月5日放送のNHK連続テレビ小説「らんまん」第3回では、天狗を名乗る武士の正体が坂本龍馬(ディーン・フジオカ)だと判明。クレジット表記も前回の「天狗」から「坂本龍馬」に変わっていた。
フジオカの朝ドラ出演は2015年度後期の「あさが来た」で演じた五代友厚以来、これが二作目。奇しくも坂本龍馬と五代友厚は同じ1836年生まれであり、両作品ともに幕末の人物を演じたこととなる。
「第2回で天狗としてさっそうと登場し、ファンを喜ばせていたフジオカ。今回は『生まれてこんほうがよかった』と嘆く主人公の槙野万太郎(森優理斗)に『はあっ!?』と憤り、いきなり万太郎を担ぎ上げた姿には《私のことも抱き上げてほしい!》と悶絶する女性ファンが続出していました」(女性誌ライター)
頭から食らうと天狗に脅された万太郎は失神。目が覚めると龍馬の肩に載せられており、顔と顔がくっつくような近さで「要らん命らあ一つもない」などと諭されていた。
この場面でも女性ファンを釘付けにしていたフジオカ。まさにイケメン俳優ならではのシーンだったといえよう。その一方で、フジオカの起用に不満を唱えるファンもいるというのである。
「もちろん第3回の出番に関しては何の文句もありません。しかし彼が坂本龍馬を演じているということはすなわち、間もなく物語から退場することを意味しています。作中の時代設定は1867年3月となっており、龍馬は同年11月の近江屋事件で暗殺されていますからね。しかも万太郎の子供時代はそう長くは描かれないでしょうから、今回が最後の出番だった可能性もありえるのです」(前出・女性誌ライター)
同様の指摘は万太郎の母・ヒサを演じる広末涼子についても持ち上がっている。ヒサは病弱なうえ、第2回では「自分のことですき分かります」と自らの運命を悟った発言すら繰り出していた。
史実においても万太郎のモデルである牧野富太郎博士は、5歳で母親を失っている。すなわちヒサも近いうちに物語から退場してしまうのである。
「広末にしてもフジオカにしても、大物俳優をあまりにも贅沢に使いすぎていることが気になります。序盤で視聴者を喜ばせておきつつ、すぐに退場させてしまうのは、広末やフジオカの『無駄遣い』と指摘せざるを得ません。なかには史実を曲げてでも、フジオカの演じる坂本龍馬を長生きさせてほしいという視聴者もいるほど。もしくは“天狗”として再登場させてもいいかもしれませんね」(前出・女性誌ライター)
様々な格闘技に通じているフジオカなら、天狗の役でもバッチリと似合うに違いないだろう。