歌人の俵万智氏が3月31日に大阪・東大阪市で行われた朝ドラ「舞いあがれ!」感謝祭に参加。キャスト陣に混じって登壇し、大きな反響を呼んだ。
このドラマでは中盤、ヒロインの舞(福原遥)がパイロットになるために航空学校に通い、航空会社から内定をもらうも、家業を助けるために辞退。様々な経験を糧に最終回、“空飛ぶ車”に祖母の祥子(高畑淳子)を乗せ、みずから操縦桿を握り、長崎の五島列島の空に「舞い上が」る。そのシーンを見た歌人の俵氏が〈見たいもの ほんまに見られるその日まで 螺旋描いて舞い上がる人〉と短歌を披露。最終回については、「3回見ました。感無量。全てのピースがカチッとあった」とコメント。「ここにいてもいいんだろうかと舞い上がっています」と喜びを口にした。
「俵氏は『舞いあがれ!』に初めて短歌が登場した際、ツイッターで『言葉にすることの大切さが、心に響く朝だった。たかし君、短歌を作ろう!』と呟いて以来、ドラマの『非公式応援歌人』と称して、のちに舞の夫となる貴司が新しい短歌を詠むたびにコメント。一連の投稿が撮影現場で話題になっていたことを、登壇した貴司役の赤楚衛二も明かしていました」(テレビ誌記者)
感謝祭の席で「今日、告白の歌を作るに違いないと思いながら、飛行機に乗って見られなかったので、勝手に詠んでしまった」と俵氏が言えば、脚本家で歌人でもある桑原亮子氏が「(放送前に)先にステキな短歌が…。急にハードルが上がっているという。先に大谷(翔平)選手投げちゃった」と発言。笑いを誘った。さらに俵は「本当に登場人物の貴司さんらしさ、秋月さんらしさでお詠みになる。脚本家であり歌人であるからできることで(桑原氏は)、“現代の紫式部”です」と、絶賛するひと幕もあった。
「俵氏は2月27日に放送の『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)に出演。今回の『舞いあがれ!』におけるつぶやきと相まって、紀伊国屋書店梅田本店を始め『サラダ記念日』『チョコレート革命』など、俵氏の歌集がポップとともに平積みされています」(エンタメ誌ライター)
今作で短歌、そして歌人・俵万智が久々に注目されたことは間違いないようだ。
(窪田史朗)