この調子で次々と登場人物を使い捨てしていくのだろうか?
4月14日放送のNHK連続テレビ小説「らんまん」第10回では、学問所「名教館」の学頭を務める池田蘭光(寺脇康文)が、名教館の閉鎖に伴って地元を去る意思を明らかに。またもや主要キャラが「倉庫入り」したのかと視聴者を呆れさせている。
半年間にわたる朝ドラでは主人公の成長を描くこともあって、登場人物が次々と入れ替わっていくもの。なかには数回の出演だけで姿を消すキャラもおり、視聴者からは倉庫入りと揶揄されている。それが今作の「らんまん」では早くも、3人もの主要キャラが倉庫入りしているというのだ。
「主人公・万太郎の母親であるヒサ(広末涼子)、万太郎に天狗だと勘違いされた坂本龍馬(ディーン・フジオカ)、そして今回の蘭光です。いずれも他の作品では主役を張るレベルの役者ばかりであり、そんな3人をあっさりと倉庫入りさせるのは登場人物の無駄遣いとも、贅沢使いとも指摘されるところ。いずれにせよもったいない感は否めません」(テレビ誌ライター)
もっとも倉庫入り自体は他の朝ドラでも日常茶飯事であり、それ自体は責められることではない。ただ「らんまん」では倉庫入りとなる時期が早すぎ、しかも大物ぞろいなことから、視聴者も驚いているのである。
前作の「舞いあがれ!」では、ヒロインの舞が小3だった「五島編」に、祖母の祥子(高畑淳子)が登場。五島を離れてからも電話でやり取りする場面があったほか、後に夫となる貴司(赤楚衛二)が祥子の家に住み込みで働くなど、倉庫入りとは無縁だったものだ。
同様に村役場の浦信吾(鈴木浩介)や、島の若者・さくら(長濱ねる)らも終盤まで登場。ほかにも「航空学校編」で舞の同期だった登場人物が終盤に何度か再登場を果たしており、完全な倉庫入りを避けていたのである。
それを可能にしたのは「舞いあがれ!」にてヒロインの舞が、成長してからも五島に何度も戻ってきていたからだ。東大阪の町工場を描く物語ながら、五島をもう一つの舞台にすることで話に膨らみを持たせ、登場人物を使い捨てしないことに成功していたのである。
「その点では『らんまん』にも今後、倉庫入りした登場人物が“蔵出し”される可能性があります。主人公・万太郎のモデルとなった牧野富太郎博士は、植物学者になってからも東京と故郷を何度も往復。それゆえ今後も故郷の佐川が舞台として描かれるかもしれません」(前出・テレビ誌ライター)
すでに他界したヒサと龍馬だが、回想シーンで登場する可能性はありそうだ。蘭光もモデルとなった儒学者・伊藤蘭林が1895年(明治28年)まで存命であり、大人になった万太郎と再会する可能性はゼロではない。
果たして広末やディーン、寺脇らの再登場はあるのか。名教館で親しくなった広瀬佑一郎(岩田琉生)との再会もあり得るのか。視聴者としては第3週以降のお手並みを拝見といったところだろう。