5月15日放送のNHK連続テレビ小説「らんまん」第31回では、寿恵子(浜辺美波)の実家である菓子店が舞台に。ここで寿恵子や母親のまつ(牧瀬里穂)から名言が飛び出していたという。
寿恵子は亡き父から形見として受け継いだ読み本の「南総里見八犬伝」に夢中。冒頭では第三十二回にて犬飼現八と犬塚信乃が芳流閣にて出会い、お互いの運命を知って桃園の義を結んだと伝える場面を読みふけっており、「源八と信乃、尊い!」と絶叫! 続けて「馬琴先生、天才すぎる~!」と作者の曲亭馬琴を褒めたたえ、腐女子ぶりを露わにしていた。
「この『尊い』には<明治時代にもヲタがいた><シンパシーを感じる>と現代の腐女子も共感。しかも部屋の壁には里見八犬伝のチラシが貼られており<ポスター貼ってるw>と、その行動に共感する声も続出していていました」(女性誌ライター)
そんな浜辺の名言に加えて、母親役の牧瀬からも名言が飛び出していたという。しかも牧瀬のほうは、かつて彼女自身が口にした流行語を想起させたというのだ。
それはまつの妹で新橋で料理屋を営むみえ(宮澤エマ)が、寿恵子に鹿鳴館での舞踏会に参加するようにと提案した件だった。薩摩藩の屋敷跡に鹿鳴館が建設されると聞いたみえは、寿恵子に“ダンス”を習わせることで、玉の輿に乗れると提案だ。
「その提案に母親のまつは『お寿恵は素人だよ。門前払いだよ~』と、やんわり反対。その流れでまつが柳橋で人気の芸者だったことが明かされましたが、視聴者はむしろ牧瀬(まつ)が『○○だよ』とのセリフを口にしたことに反応していました。なにしろ牧瀬と言えば、一世を風靡した『ヒューヒューだよ!』の名ゼリフで知られていますからね」(前出・女性誌ライター)
1992年放送のドラマ「二十歳の約束」(フジテレビ系)で牧瀬が演じた夕希は、主人公の純平(稲垣吾郎)のことが気になっているも彼女がいることを知り、「ヒューヒューだよ!」と茶化すことで自分の気持ちをゴマかしていた。
このセリフが当時、大いにバズり、牧瀬と言えば「ヒューヒューだよ!」という代名詞になったほど。いまでも物まね番組での定番ネタになっているほどだ。
「その牧瀬にあえて『○○だよ』というセリフを語らせたのは、制作側の遊び心に違いありません。なにしろ1992年(平成4年)のドラマですから若い人はスルーしていたものの、40代以上の視聴者は『牧瀬里穂が「だよ」って言ってる!』とビビッドに反応。本作があちこちに散りばめているコミカルな要素をあらためて実感したことでしょう」(前出・女性誌ライター)
この調子で次回以降にも名ゼリフがぶち込まれるのか。どうやら「らんまん」は演者の一言一言を聞き漏らすことができない作品になっているようだ。