5月31日放送のNHK連続テレビ小説「らんまん」第43回では、主人公の万太郎(神木隆之介)が東京・葛飾の沼地で底に根を張る水草を採集。その構造に興味を抱くなか、そんな万太郎に相棒の竹雄(志尊淳)が微妙な表情を見せる場面があった。
万太郎は長屋仲間の倉木(大東駿介)を案内役として、東京中を探検。東京ならではの珍しい植物の採集に打ち込んでいた。ある日、二人は夜明け前から出かけ、夜が更けてもまだ長屋には戻ってこない様子。そんな二人のことを誰よりも心配していたのが竹雄だったのである。
「万太郎の実家である土佐の造り酒屋・峰屋にて、番頭の息子である竹雄は幼いころから万太郎の世話係を担当。万太郎の上京にも同行し、現在は共同生活を送っています。万太郎は主人と従者という関係を嫌い、竹雄を“相棒”と呼んでいますが、当の竹雄はどうしても万太郎に仕える立場を崩せない様子。それが万太郎の帰りを心配する姿にも表れていました」(テレビ誌ライター)
竹雄は万太郎が途中で倒れてしまい、倉木が背負ってきているのではと心配。帰ってきてもいないのに医者を呼びに行こうとする始末だ。
一方で無事に帰宅した万太郎はどこ吹く風で、採集してきた水草に夢中。どうやら二人の心は微妙にすれ違っているようなのである。
幼いころは身体が弱く、いつ死んでもおかしくないとさえ言われていた万太郎。ところが成長と共に頑健になってきたようで、東大の植物学教室に通う現在は、夜を徹してでも標本づくりに打ち込む体力を見せている。
そんな万太郎に「ゆうべも寝ちゃあせんでしょ?」と心配顔の竹雄だが、万太郎はあくまで水草の観察に熱中。そんな姿に複雑な表情を見せる竹雄であった。
「夜になっても植物画描きに熱中する万太郎。以前の竹雄なら夜通し付き合っていたものですが、いまや洋食屋で働く身とあって『若、おやすみなさい』と声をかけて横になっていました。その姿には、これから進んでいく道を万太郎と分かつ予感を抱かせたのです」(前出・テレビ誌ライター)
万太郎のモデルである牧野富太郎博士の実家では、番頭が万太郎の先妻と再婚していた。その先妻は本作において、万太郎の姉・綾(佐久間由衣)として描かれており、竹雄は綾に惚れている。
果たして万太郎と竹雄は決別し、竹雄は土佐に帰るのか。そして峰屋を切り盛りする綾と結婚するのか。今回の第43回は、そんな展開を予感させるエピソードとなっていたようだ。