その内容に不満を抱く視聴者も少なくなかったようだ。
6月14日に放送された「水曜日のダウンタウン」(TBS系)では、「マリトッツォもうどこにもない説」という企画を検証。2021年に大流行したイタリア発祥のスイーツを追い求めて、2チームが東京中を駆け巡るという内容だ。その企画に大ブーイングが巻き起こっていたという。
同企画では2組の芸能人チームがそれぞれマリトッツォを探し求め、購入できたら相手チームにバイク便で発送。送りつけられた側は食べて消費することができるも、手持ちが21個を超えてしまったら負けという「東京マリトッツォぷよぷよ」が行われた。
両チームは銀座や表参道、中目黒など文字通りに東京中を移動しまくり、各店舗でマリトッツォをゲット。なかには整理券をゲットしたうえで1時間ほど並んだり、店舗に残っていた最後の1個を買い占めるなど、マリトッツォを探し求める旅は熾烈を極めていた。
「対戦の結果、両チームが買い占めたマリトッツォは73個という結果に。けっこうな量を各タレントが消費していたものの、最後は大量のマリトッツォが余る結果となりました。なお画面には、この手の番組企画でよく見かける『スタッフが美味しくいただきました』というテロップは見当たらなかったですね」(テレビ誌ライター)
もちろん購入したマリトッツォを廃棄したとは思えず、大人数のスタッフで分け合ったとみるのが妥当だろう。とはいえ生クリームを大量に使用したマリトッツォは消費期限が短く、冷蔵庫に入れていない状態なら当日中に食べきる必要があるものだ。
しかもこの企画はそもそも「流行の2年後にはもうマリトッツォがあまり売られていない」という前提で開催されている。つまり市中に出回っているマリトッツォが数少ないなか、それを番組企画のために買い占めていたのは明らかだ。
「そんな貴重なマリトッツォを時には10個単位で買い占めていました。これではマリトッツォを買い求めにお店を訪れた一般客は、買い占めの被害に遭ったことになります。マリトッツォの珍しさを検証したいなら、各店舗に置かれている個数を数えるだけでいいはず。それを『相手に送り付けて食べさせる』というバラエティ的なネタとして消費したことは、批判されて当然の悪手でした」(前出・テレビ誌ライター)
そういったマスコミの蛮行では、被災地で取材中のマスコミが電池や弁当を買い占めるといった行為が知られている。さすがにマリトッツォに命がかかっていることはないにせよ、「マリトッツォを食べたい」という人たちの気持ちを踏みにじっていることはやはり、責められてしかるべきだ。
この「水ダウ」では芸人に無茶をさせて笑いを取るネタが定番。芸人も身体を張ることが仕事ゆえ、視聴者も笑えるものだ。しかし一般消費者に対して明らかに迷惑行為となっていた今回のマリトッツォ対決に関しては、制作陣が猛省すべきなのは明らかだろう。