この稀有な光景こそ、「あまちゃん」が伝説的な朝ドラである証拠なのかもしれない。
6月27日に再放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第74回では、ヒロインのアキ(能年玲奈)がアイドルグループ「GMT47」の合宿所に合流。いよいよ東京での生活がスタートすることになった。その東京でアキが出会ったメンバーたちに、視聴者は感慨を覚えているようだ。
芸能事務所ハートフルと契約し、上京してきたアキ。劇場ではアメ横女学園の成田りな(水瀬いのり)と高畑アリサ(吉田里琴)からアイドルならではの挨拶を受け、ステージではエースの有馬めぐ(足立梨花)が歌い踊る姿に圧倒されていた。
練習場である地下の「奈落」では、GMT47メンバーの入間しおり(松岡茉優)、遠藤真奈(大野いと)、喜屋武エレン(蔵下穂波)、小野寺薫子(優希美青)らとあいさつ。そしてこの日は合宿所にて、宮下アユミ(山下リオ)と遭遇だ。
この8人はタイトルロールで名前を紹介されており、今後もアキの仲間として活躍していくに違いない。その顔触れが視聴者を驚かせていたというのである。
「本放送当時、最年長の足立梨花と山下リオは二十歳で、最年少の優希美青と吉田里琴(現・吉川愛)は中2の若さでした。そんな若手女優たちが10年経った現在も、全員が芸能界で活動し続けていることは奇跡的だと言えるでしょう」(芸能ライター)
8人のなかで吉田だけは学業専念を理由に2016年に芸能界引退を発表。パン屋でのアルバイトなどをしていたが、現在の所属事務所にスカウトされたことをきっかけとして1年後に再デビュー。芸名も吉川愛に変えていた。
他の7人は「あまちゃん」後も順調に芸能生活を続けており、ドラマや映画での主演経験も豊富。日本アカデミー賞などを受賞した者も少なくない。足立梨花は6月26日に結婚を発表したばかりで、いずれも人生のステップアップを続けているところだ。
そういった女優たちが登場するたびに、視聴者からは<松岡茉優ちゃん、若っ!><蔵下穂波ちゃんが観られるの嬉しい>といった感慨の声が続出。宮下アユミ役の山下リオはモデルとしても活躍する美女だが、今回は髪を無造作に縛ったダサい姿で観る者を驚かせている。声優として活躍している水瀬いのりは本作を含めて実写ドラマ出演はわずか2回であり、貴重な姿だと言えるだろう。
「若手女優を多数集めた作品では、10年後に見返してみるとその多くが芸能界を引退済というケースが少なくありません。ところが『あまちゃん』では全員が芸能活動を続けており、しかも朝ドラに続けて出演するなど一線級で活躍しています。それゆえ今週からの東京編も、安心して見守ることができるというものです」(前出・芸能ライター)
そもそもヒロインの能年からして、所属事務所とのトラブルにより芸名の変更などを余儀なくされつつ、現在は「のん」として芸能活動を続けている。そんなところも「あまちゃん」が伝説的な朝ドラとして、視聴者を惹きつけ続けている理由の一つなのかもしれない。