たとえ真意だったとしても、裏読みする人たちは後を絶たないようだ。
7月2日夜のクロージングセレモニーを最後に、50年の歴史に幕を閉じた中野サンプラザ。東京・中野の駅前にそびえたつ三角形のビルに、音楽関係者と音楽ファンが別れを告げた。
その中野サンプラザで最後のライブを行ったのは、同会場を定期的に使っていた山下達郎だ。7月2日の午後には自身の冠ラジオ番組「山下達郎の楽天カード サンデー・ソングブック」(TFM)で中野サンプラザの思い出を語り、同日のライブについては「なにしろお客さんがパンク状態なので、マスコミ関係、報道関係、入場していただくことができません」と明かしつつ、「純粋に100%、お客さんだけのライブになっております」と説明していた。
そんな山下の言葉に、苦言が続出しているという。
「コンサートでは通常、一部の席を関係者やマスコミ向けに確保するもの。それを今回はマスコミを一切入れないことで、できるだけ多くのお客さんを入れようとしたということでしょう。しかし今回に限っては、マスコミをシャットアウトするための方便ではないかと批判されているのです」(芸能記者)
山下を巡っては現在、ジャニーズ事務所との密接な関係が話題にのぼっている。楽曲提供者としても名高い山下は近藤真彦の「ハイティーン・ブギ」やKinKi Kidsの「硝子の少年」、嵐の「復活LOVE」など数々の楽曲をジャニーズタレントに提供。ジャニーズ事務所との“蜜月”状態は広く知れ渡っているところだ。
そこに降って湧いたのが、ジャニーズ事務所の性加害問題だ。同問題を巡っては音楽プロデューサーの松尾潔氏が7月1日、「15年間在籍したスマイルカンパニーとのマネージメント契約が中途で終了になりました」とツイッターで告白。メディアでジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由だと明かしている。
スマイルカンパニーは山下の著作権管理などを目的とした設立された音楽出版社で、山下や妻の竹内まりやらが所属。ほかにも数多くのクリエイターを抱えており、松尾氏はその一人だった。
松尾氏は「山下達郎さんも会社方針に賛成とのこと、残念です」とツイートしており、山下には世間から批判の声があがることに。そのタイミングで中野サンプラザのコンサートがあったことから、あえてマスコミをシャットアウトしたのではないかと疑問視されている状況だ。だが実際のところはどうなのか。
「山下はもともとマスコミ嫌いで知られており、撮影されるのも苦手。自身のアルバムジャケットでさえもほんの数カットしか撮らせないというほどです。だから中野サンプラザ公演に関しても、最初からマスコミは呼んでいなかったのでしょう。そもそもコンサートへの取材呼び込みは本番の数日前には締め切るものですし、7月1日の告発を受けて、7月2日のコンサートでいきなりマスコミをシャットアウトするのはタイミング的にも無理ですね」(前出・芸能記者)
松尾氏の発言を巡っては、山下に説明責任を求める声が少なくない。ただ中野サンプラザ公演の「お客さんだけのライブ」に関しては、どうやら裏がある話ではなかったのかもしれない。