タレントの伊集院光が8月6日、とんねるずの石橋貴明がパーソナリティーを務めるラジオ番組「U-NEXT presents 石橋貴明のGATE7」(TBSラジオ)にゲスト出演。元高校球児である石橋を前に、高校野球について大胆な提言を行った。
伊集院は最近、「何これ」と首をひねったこととして、NHKが東京都予選の決勝を中継していた際に、酷暑のため不要不急の外出を控えるよう告知するテロップが出ていたことをあげて、「『不要不急の外出はしないでくれ』と。“死に至る暑さです、今日の東京は”って言っているのに(画面の)真ん中で高校野球の中継やっているんですよ。おかしな世界ですよね」と吐露。すると石橋も「オレも思った。そして、炎天下の中でやっているから給水タイム取るのね。相当暑いんだなっていう」と同調したが、伊集院は、「オレは決勝戦とか、ベスト8は甲子園(球場)でいいから、その手前まではドームでやった方がいいんじゃないかと」と提言。各地方にあるドーム球場トーナメントを行い、最後は甲子園で試合をするという考えを明かし、「まだまだいろんな反対があると思うけど、変えていかないと」と訴えた。
しかし石橋は、「(女子の高校野球大会のように)決勝だけ甲子園でって。2校しか味わえないのは…」と難色を示し、「やっぱりあそこ(甲子園)に入ってやるっていうのが、その人たちのその後の人生において、『オレ、甲子園出たことあるんだぜ』というのは。野球やっている奴からすると『え!甲子園出たことあるの』って」と、甲子園は別格であるという考えを明かした。
リスナーからは、ネット上で、双方の意見に対して、「これはどこでやるかではなく、いつやるかの問題では?甲子園が問題ではなくて真夏の一番暑い時期にやるのが問題だろう」「高校野球はもっと意識改革をしてもいいんじゃないかと思う。『甲子園に出た』ではなく、『全国大会に出た』にすればいいのではないだろうか」「全出場校1試合目は甲子園、2試合目以降甲子園とほっともっとフィールド神戸を併用、ベスト4からまた甲子園でどうでしょう」など、さまざまな意見や案が寄せられている。
「地球温暖化のせいもあって数十年前から高校生が日中、真夏の甲子園球場で試合をすることには異論は出ていて、1990年代半ばには甲子園をドーム化すればいいとの声もあり、検討もされていたそうです。ただ、甲子園は住宅地の中にあり、北側には間近に高速道路の高架が横切っていて、騒音や万一の事故の可能性なども考えるとドーム化工事の実現は難しかったようです。また野球は攻守交代制で、攻撃の時はバッターとランナー以外は日陰のベンチで休んでいることから、実際は試合時間の半分も直射日光に晒されていないという元球児の声もあったんです。高校野球の試合時間の平均は2時間から2時間半と言われていますから、単純計算なら、サッカーなどと違い、かなり小刻みに選手は日陰に入る計算にはなります。とはいえ、毎年足をつる選手が出るなど熱中症の症状と思われる事案は発生しており、選手の気持ちと安全性を考えながら対策を練る必要があるでしょう。また、日陰にならない観客席への対策も並行して考えるべきですね」(スポーツ誌ライター)
とりわけ今年は例年よりも暑さが厳しいと報じられている。何とか現行の対策のもとで、球児も観客も無事で甲子園大会が終わることを祈るばかりだ。
(柏原廉)