新幹線のリスクマネージメントに対する見解が物議を醸している。「めざまし8」(フジテレビ系)で、社会学者・古市憲寿氏はお盆真っ只中の計画運休について疑問視したのだ。
台風7号の接近に伴い、8月15日に名古屋―岡山間で実施された東海道・山陽新幹線の計画運休。前日の14日の同番組で、古市氏は、「意思決定がブラックボックスというのは気になります。普通の人からすると『昔は走ってたのに何で今は走れないの?』って思う人は多いと思う」と持論を語り始めた。「計画運休は2014年にJR西日本が始めたのがキッカケと言われてますけど、たかだかこの10年くらいのこと」と続ける古市氏は、「何で10年くらい前までできていたことが今はできなくなっているのか」と疑問を口にした。多くの人が旅行に出かける時期ということもあり、「久しぶりに里帰りとか、レジャーに出かける人も多いんで、そこであらかじめ計画運休を発表して、当日にいざとなったら雨があまり降らないということもあり得るわけじゃないですか」と述べ、鉄道会社による事前の運休発表に異議を唱えたのである。
「お盆のUターン期間に日本の大動脈が止まってしまうことは多くの利用客に影響を与えるもので、視聴者からは、ネット上で『計画運休は鉄道会社側の都合。風雨が増した段階で止まれば問題ないが、事後調整が超絶面倒くさいってこと』と古市氏に同調する声もありましたが、大半は運休の決断を支持。安全面への配慮を指摘する人が多かったほか、1月に寒波の影響で東海道線で列車15本が立ち往生したケースを上げる声も。その際、JR西日本は計画運休を実施せず、約7000人が最長で10時間も車内に閉じ込められる被害も発生しました。鉄道会社としては、こうした事態を2度と起こしたくないとの思いが強いのでは。また、10年前との違いを指摘した古市氏ですが、これにも『昔より予報精度は上がって、台風の勢力や被害が大きくなってるから』との声もあり、確かに一理あると感じましたね」(テレビ誌ライター)
どうやら、乗客の安全を第一に考慮した決定であるのは間違いのないところだが、古市氏が言う「意思決定のプロセス」については、鉄道会社のより詳しい説明が求められるのかもしれない。
(木村慎吾)