ドラマ「昼顔」(TBS系)がブームになったのが2014年。当時は物語のような婚外恋愛に憧れを持つ妻たちが増え、「恋に落ちてしまったものはしかたない」と、まるで不貞を容認するかのような考えが、一部熱狂的番組ファンの間に蔓延したほどだった。
しかし今年に入り「ゲス不貞」騒動が起こってからというもの形勢一変。次々と暴かれる芸能人・有名人の不貞騒動に「やっぱりよくない」「ダメ、絶対!」と、真逆の風潮へとがらりと変わっていった。
女性向けライフスタイル誌で執筆するライターは、「ネット上の掲示板などでは以前から、不貞ネタが書き込まれるとかなり激しく非難する“常連”たちが一定数いましたが、今年はそれがさらに増えた印象」「しかも、相当ヒステリックに行われていますよ」と話す。
たとえば、女性向けのお悩み相談掲示板を覗いてみても、婚外恋愛の悩みを書き込む女性に対して、次のようなコメントが殺到していた。
「他人のダンナにすがるなんて本当に惨めな女」
「そんなことするヒマがあるなら男を見定める目を養ったほうがいい」
「不貞行為をするヤツに存在価値ないから」
なんともトゲトゲしい言葉がズラリ。こうしたコメントをしている人の中には、複数のスレッドにまたがって同じような批判の言葉を書き込みまくっている人も少なくなかった。
しかし、来年は「昼顔」が映画になって再登場。この「バッシング」の波の中、はたしてヒットは見込めるのだろうか。別の女性向け掲示板ではこの映画に対してこんなやりとりが交わされている。
「一人でこっそり見に行きたいけど、ママ友に会ったら気まずい」
「地元の映画館に行ったら誰かに会いそうだから遠出しなくちゃ」
「ドラマのときは実況中継スレッドでみんなで盛り上がったけど、今となっては『昼顔好き』って言いづらいよね」
つまり映画「昼顔」を観に行く=不貞肯定派と思われそうでためらっているという声が多いようだ。
同掲示板には「昼顔はテレビだったから録画して主婦でもコッソリ見られたのに‥‥」という声もあったが、果たしてドラマファンだった主婦層を映画版は取り込むことができるのだろうか。