これは暗雲なのか、それともちょっとした考証ミスなのか。視聴者も気を揉んでいたかもしれない。
8月25日に再放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第125回では、ヒロインのアキ(能年玲奈)がついに、映画「潮騒のメモリー」のヒロインオーディションに合格。母親役を演じる鈴鹿ひろ美とがっちり握手を交わす場面が描かれた。
最終審査に臨んだのはアキ、そしてGMT5在籍時の同僚だった小野寺薫子(優希美青)の二人。同映画の監督でオフィスハートフル社長の荒巻太一(古田新太)は審査員が揃うなか、、社長としては小野寺を選ぶべきだが、「商売人になり切れないもう一人の自分が天野を推したがっている」とつぶやいていた。
「荒巻はかつて鈴鹿ひろ美が歌手デビューする際に、ひろ美の音痴をカバーするためにアキの母親・春子(有村架純)を代役に立てていました。そして今度は、金づちの小野寺をヒロインに選び、泳ぐシーンの代役にアキを立てようと画策。だが荒巻自身も『天野を吹き替えにしたらまた後悔することになるぞ』と自問自答していたのです」(テレビ誌ライター)
小野寺を選ぶべきか、それともアキを選ぶべきか、自分でも結論が出ないという荒巻。すると「夕べ、この動画を見つけましてね」と言いつつ、アキが所属するスリーJプロダクションの動画サイトを、ひろ美ら審査員たちに見せたのである。
荒巻が開いたのは「なまりすぎる海女のアキ 初ウニ GET!」という動画。高2で東京から北三陸に引っ越し、高校生海女として初めてウニを自分で獲れた時の映像だ。かつては北三陸市観光協会の公式サイトにアップされていた動画だが、今ではアキ自身のプロモーション映像として注目を浴びているという。
前週放送の第119回では、「ついに天野アキの人気に火が付きました。といってもまだまだネット上の話です」とのナレーション付きで、それらの動画を紹介。「初ウニ GET!」の動画は10万2114回も再生されており、所属タレント一人の事務所が運営する動画チャンネルにしては上々の成績だろう。
だが第119回と今回の第125回を見比べると、アキの人気に陰りが出ている恐れが見て取れるというのである。
「荒巻が審査員たちに『初ウニ GET!』の動画を見せた際、表示された再生回数は第119回の時とまったく同じ10万2114回でした。つまりアキがオーディションを受ける前から、1回も再生回数が伸びていなかったのです。これはアキの動画が見られなくなったことを示しているのかもしれません」(前出・テレビ誌ライター)
ただ、実際のところは制作側の単純な考証ミスが原因の可能性が高い。YouTubeに模した動画ページを制作したものの、再生回数がだんだん増えていく仕組みを実装し忘れていたのかもしれない。
もしこの動画が実際にYouTubeにアップされていたらどうなったのか。10万回をはるかに超える再生回数を叩き出していた可能性も高いのではないだろうか。