他人事、とは思わない人も少なくないのかもしれない。
今年4月の宮崎市議選で2位当選を果たした“スーパークレイジー君”こと西本誠市議が9月6日、宮崎県警に逮捕された。知人の女性に性的暴行を働いてケガをさせた疑いによるもの。県警側は認否や事件の詳細を明らかにしていないという。
宮崎市議会では9月定例会の会期中で、議員には不逮捕特権があるのでは? と思う向きもいるようだ。だがこれは国会議員に限定された特権であり、西本容疑者のような地方議員には適用されない。同容疑者は9月3日午前、知人の30代女性に約1週間のけがを負わせた疑いがあり、女性は4日に被害届を提出。そこからわずか2日でのスピード逮捕となっていた。
西本容疑者の事件が今後どう展開するかは不明なものの、宮崎市議としての地位が失われることはあるのだろうか。
「地方議員が犯罪を犯した場合でも、すぐに失職するわけではありません。収賄や選挙違反を別にすれば、失職するのは『禁固以上の刑に処せられた』場合であり、しかも執行猶予がつけば対象外。禁固刑や懲役刑の実刑を受けた場合に限られます。他には所属する議会において除名処分を受ける可能性もあり、最近ではガーシー元参議院議員の実例が知られますが、こちらも件数としては少ないものとなっています」(週刊誌記者)
そんな西本容疑者の事件を巡ってあらためて注目されているのが、8月27日の千葉・八街市議選で2位当選を果たした後藤祐樹氏だ。後藤議員はモーニング娘。で活躍した後藤真希の実弟で、かつては自身も芸能活動を行っていたことで知られている。
一方で2007年には銅線の窃盗や警備員への暴行の容疑で逮捕され、翌年には懲役5年6か月の実刑判決。仮釈放を経て、2013年に刑期が満了していた。
その後藤議員が市議選に当選したことで、一部からは「悪名は無名に勝るのか」など、議員としての適性に対する疑問の声もあがっているようだ。その声が今回の西本容疑者逮捕を受けて再燃するのだろうか。
「後藤議員は八街市内で清掃会社を経営しているほか、1300坪の土地を購入してキャンプ場経営を目指す様子もYouTubeで公開。地元での評判は決して悪くないようです。たしかに元強盗犯が市議会議員になるのは驚きですが、法的な問題はありませんし、なにより本人が地元に貢献しようとしているのは地方議員として重要なこと。前科前歴を理由に議員の適性を疑うのは早計というものでしょう」(前出・週刊誌記者)
後藤議員の政治家人生は始まったばかり。その手腕をお手並み拝見といったところだろう。