まさかそんな場所だったとは…驚く人も少なくないことだろう。
9月8日放送のNHK連続テレビ小説「らんまん」第115回では、寿恵子(浜辺美波)が渋谷に待合茶屋を出そうと奮闘する姿が描かれた。
明治30年当時には東京の辺境に過ぎなかった渋谷。寿恵子は岩崎弥之助(皆川猿時)の紹介で、120円(現在の数百万円程度)のボロ屋を購入。自分の足で渋谷中を歩き回って詳しい地図を制作し、夫の万太郎(神木隆之介)に渋谷の魅力を説明していた。
さらには渋谷で知り合った人たちを集め、「渋谷が東京で一番にぎやかな街になる」との妄想を披露。今となっては寿恵子は予言者だったのかと驚くところだが、本作のモデルである牧野富太郎博士の妻・寿衛子は実際に、渋谷に待合茶屋を開いていたのである。
寿衛子の待合茶屋はかなり繁盛したと伝わっており、渋谷を選んだのは大正解だったようだ。だが令和の現在からみると、彼女は大金持ちになり損ねたとの見方もあるという。
「寿恵子が万太郎に見せた地図によると、彼女が購入したボロ屋は現在の東急百貨店本店のそばにあったようです。西には佐賀・鍋島家の松濤園があり、現在は鍋島松濤公園として区民に開放されています。こんな好立地の家屋を近代まで持ち続けていれば、さぞやスゴい値段で売れたことでしょう」(週刊誌記者)
ちなみに昭和39年に東急百貨店が東急本店の敷地を購入するまで、その場所には区立小学校が建っていた。その東急本店は今年、再開発のために閉店。2027年にはホテルやマンションも入居する36階建ての高層ビルに生まれ変わる予定だ。
裏手の松濤地区は高級住宅街となっており、デヴィ夫人や楽天・三木谷氏の豪邸が立ち並んでいる。寿恵子はのちに待合茶屋をたたんでいるが、そのまま所有し続けていたら子孫たちは今ごろ、デヴィ夫人と一緒にお茶を楽しむ関係になっていたのかもしれない!?