9月25日、NHK連続テレビ小説「らんまん」第126話が放送された。いよいよ最終週。白髪交じりになった主人公・槙野万太郎(神木隆之介)と妻・寿恵子(浜辺美波)は東京・大泉村(現在の練馬区東大泉)を訪れる。広大な田園地帯の中に、家族で住める家、大きな標本館、そして植物園を作ることになったのだ。
「ドラマのモデルとなった植物学者の牧野富太郎博士は関東大震災の後、大正15(1926)年に大泉に移住。昭和32(1957)年、94歳で亡くなるまでこの地で植物に囲まれながら研究に没頭したんです。牧野博士の邸宅の跡地は翌昭和33年から『牧野記念庭園』として一般公開されています」(学芸誌ライター)
夭折した長女の園子を思い、ありとあらゆる草花が咲き誇る植物の園を作りたいと願った寿恵子は、植える草花について万太郎と語り合う。
「『春は絶景。サクラの花吹雪』『足元にはカタクリ…ニリンソウもかわいいのう』2人が相談して植えたであろう四季折々の草花については、牧野記念庭園のWebサイトにも記されています。120年が経過した今も、我々はその草花たちを目にすることができるんです」(前出・学芸誌ライター)
物語はここから昭和33年夏、牧野博士が亡くなった翌年へと飛ぶ。万太郎の遺品の整理をするアルバイトを、万太郎の娘・千鶴が募集。すると、ある女性が槙野家を訪れるのだ。
「すでに老境に達した千鶴を演じているのは、万太郎の祖母・タキを演じた松坂慶子。そして訪れた女性はナレーションを務めた宮崎あおい。時空を超越した2人の登場に視聴者は沸き立ったのです」(テレビ誌ライター)
「おばあちゃんがひ孫に転生した!?」「すごいサプライズ出演」「ナレーターが本編に出てくるとは!」といった声にくわえ、「篤姫コンビだ!」と、2008年に放送されたNHK大河ドラマ「篤姫」で主人公・篤姫を演じた宮崎と、その教育係・幾島を演じた松坂の共演に思いを馳せた視聴者も多かったようだ。
「らんまん」の直後に放送された情報番組「あさイチ」ではMCの博多華丸・大吉と鈴木奈穂子アナも「予想外の展開」と驚き、華丸が「最終週の最終話みたい」と形容した、驚きの最終週の始まりであった。
万太郎と寿恵子が大泉の地に、どのように庭園を作ったのか、そして植物図鑑はどうなったのか。最終週の展開に注目したい。
(石見剣)