いや、まだなんだよ! そんな叫びがあちこちで聞こえているようだ。
9月29日に再放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第155回では、中年夫婦3組の結婚式が無事に終了。ヒロイン・アキ(能年玲奈)の祖母で海女クラブ会長の夏(宮本信子)のスピーチに、視聴者も感動していた。
夏の娘・春子(小泉今日子)は高3の春に家出し、東京へ。アイドルになる夢は破れ、タクシー運転手の正宗(尾美としのり)と結婚していた。娘のアキが高2になった夏には、アキを連れて久しぶりの帰省。そこで初めて夏は、娘が結婚して孫も生まれていたことを知ったのである。
「そんな春子の花嫁姿に素直に感動した夏は『夢をかなえてくれて、どうもありがとう』との言葉を口に。春子がどんなに世話をしてもほとんど『おう』で済ませてきた夏が、心からの『ありがとう』を発した場面には、本作がまさに大団円を迎えていることが示されていました」(テレビ誌ライター)
終盤では女優の鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)が、漁協のマイクで海開きを宣言。この日は震災から復旧した北鉄の開通式も行われる予定だが、ひろ美の東北ツアーに所属事務所社長として同行する春子は、アキに「頑張ってね!」と告げて実家を去っていった。
海女の格好になって、北三陸の海を見渡す場所に立ったアキ。そこには春子の声で「2012年7月1日、私の故郷・北三陸が大きな一歩を踏み出します」とのナレーションが流れていた。その場面に、ついにこれで「あまちゃん」も終わりかと勘違いする視聴者が続出していたのである。
「この日、放送中の朝ドラ『らんまん』が最終回を迎えたこともあり、視聴者のなかには『あまちゃん』も今回が最終回だったと勘違いする人が少なくないようです。しかし2019年度までの朝ドラは毎週月曜日~土曜日の放送となっており、2013年度前期の『あまちゃん』も真の最終回が再放送されるのは9月30日土曜日のこと。そこに気づいていない朝ドラ初心者は、感動の最終回を見逃しかねない状況に陥っています」(前出・テレビ誌ライター)
実際、第155回のラストシーンにはしっかりと「つづく」の文字が映っていた。だが画面の右下隅のため、気づいていない視聴者も少なくなかったようだ。
本当の「あまロス」は、翌日の最終回を観てから実感するもの。ところが今回はあまロスどころか「最終回ロス」の危機に瀕している視聴者も少なくない。もし周りに「あまちゃんの最終回」を話題にしている人がいたら、それは今日ではなく明日に放送されることを伝えてあげたいところだろう。