荒れた会見場を冷静になだめ、「子供たちの手本となるよう」示したのは元V6でジャニーズアイランド社長・井ノ原快彦だった。
10月2日、故ジャニー喜多川氏の性加害問題を受け、2度目の会見に出席したジャニーズ事務所・東山紀之社長と井ノ原。前回に続き、今回の会見も、まず初めに東山社長から今後の被害者への補償の方針や、社名変更、そして、現在の所属タレントとの新たな契約のカタチなどを説明した後、記者に質問をする機会が与えられた。
また、司会者から「質問は1社につき1問」とのルールが事前に通達されたものの、多くの記者が2つ以上の質問を投げかけた、マイクを向けられていない記者からも矢継ぎ早に質問が飛び交う展開となった。
改めて司会者から「1社1問でお願いします」との注意が言い渡されるも、なかなか指名を得られない記者の中には「こんなの茶番！」「司会、ちゃんと回せ！」と怒号に近いヤジを浴びせるケースもあった。
こうした状況を見かねた井ノ原が途中、「ちょっと落ち着いていきましょう」と諫める場面も。ただ、質問の順番や“1社1問”のルールを守らない記者が次々に現れると、井ノ原は「こういう会見の場は全国に生放送で伝わっておりまして、小さな子供たち、自分にも子供がいます。ジャニーズJr.の子たちもいますし、それこそ被害者の皆さんが『自分たちのことでこんなに揉めてるのか』というのは、僕は見せたくないので、できる限りルールを守りながら、ルールを守っていく大人たちの姿をこの会見では見せていきたいって思ってますので。どうか、落ち着いてお願いします」と要請。これには会場から拍手がおくられていた。
「ヒートアップした一部の記者らを司会者も完全に掌握できず、ほぼ“カオス”状態の時間帯もあった今回の会見でしたが、大きな要因としては、前回の会見は4時間以上も用意されていたのに対し、この日は会場の都合もあり、2時間に制限された点でしょう。そのため、駆け付けた全ての媒体、記者が質問をすることは叶わず、このような“奪い合い”になってしまいました。そうした中でも冷静に記者をなだめ、子供たちの手本となるよう説いた井ノ原には世間から『会場に思わず拍手がおこって、唯一温かい瞬間だった。子供を守るための改革、そのための会見であるということを、井ノ原さんが1番理解してた』などの称賛する声が上がっています」（テレビ誌ライター）
もっとも、識者からなども含め、子供たちへの性加害が問題となっている会社の幹部が「子供たちのために」ルールを守るよう言うのは、違和感があるとの指摘や、たとえば「ビッグモーター」など不祥事を起こした別の会社に置き換えて考えれば、そもそも会見の1社1問のルールがおかしいといった声もある。が、井ノ原の思い自体は純粋なものだと信じ、今後の「解体的出直し」の動向を注視していきたい。
（木村慎吾）
