昭和の歌姫・山口百恵最大のヒット曲は累計売上100万枚を記録した24枚目のシングル「いい日旅立ち」(1978年11月21日リリース)。作詞、作曲を担当したのは、病気のため、10月8日に急逝していたことがわかった、シンガーソングライターの谷村新司さんだ。
当時、日本国有鉄道(国鉄)が行っていた旅行誘致キャンペーンソングとして制作されたことから、ピッタリのタイトルだと思っていたが、別の意味合いも込められていたという。フリーアナ・古舘伊知郎が10月16日、自身のYouTubeチャンネル「古舘伊知郎チャンネル」で谷村さんを偲び、そのエピソードを披露している。
「『(スポンサーの)日本旅行と日立製作所をまんべんなくにじませながら、素晴らしい名曲を作ってくれませんか、谷村さん?』(といういうオファーに)オレが谷村さんだったら断りますね。『自由に作らせてくれない?』って。結果OKして谷村さんは、『いい日旅立ち』ってタイトルにしたんですよ」
言われてみれば確かに、この曲、日本旅行の「日」と「旅」、日立製作所の「日」と「立」の文字がタイトルに使われているのだ。
「結婚式など祝いの席で歌われることも多い『いい日旅立ち』ですが、生前、谷村さんは『歌詞をよく見てください。この歌は決してそんな祝いの席で歌うような、いい意味の曲ではありません』と語っていました」(芸能ライター)
谷村さんの穏やかな歌声が、耳に残っている。
(所ひで/YouTubeライター)