ジャニー喜多川氏の性加害問題に端を発した「ジャニーズ問題」に新たな動きがあった。
10月30日、複数のメディアがSMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)の社長である東山紀之が今後就任する予定だった新会社の社長就任を辞退すると報道。
新旧2社の社長を同時に東山が務めることに「ガバナンス面で問題がある」と指摘されたことが理由だという。
東山に代わり新会社の社長として名前が挙がっているのが、女優・のんがエージェント契約するコンサルティング会社「スピーディ」の代表を務める福田淳氏。かねてからテレビ局の旧態依然とした仕組みを批判し、芸能界の変革を訴えている人物だ。
「契約するタレントにとっては、経営の素人である東山よりも福田氏のほうが間違いなく安心できるでしょう。10月24日、嵐の二宮和也が独立を発表した際、9月のジャニーズ会見から『正直、怖くなった』『不安な気持ちになった』と心情を吐露していましたが、仮に新会社での福田氏の社長就任が早々に決まっていたら、独立という選択肢を選ばなかったかもしれません」(芸能関係者)
こうした状況で注目が集まっているのが東山の動向だ。
「もともと東山は新旧2社の社長を務めるという前提で、今年限りの芸能界引退を決断しました。彼が舵取りを行うSMILE-UP.は被害者への補償のみを行い、補償完了後には廃業する方針を示している。一定期間で社長業を退くため、今回の新会社の社長就任辞退で『引退撤回説』が急浮上しているんです」(前出・芸能関係者)
ネット上では引退撤回の可能性が浮上したことを歓迎する声が目立つが、前出の芸能関係者は「早くても5年先になる」と指摘する。さらにこう続ける。
「11月から補償作業をスタートさせるとしていますが、補償請求者は325人。被害の事実を調査する必要もあり、1年や2年で終わる仕事ではありません。さらにジャニー氏がハワイなどでも性加害を行っていたという証言があり、今後さらに被害を申告する人は増えるでしょう。海外訴訟への対応も考えると、5年後もSMILE-UP.は廃業できない可能性が高いのではないでしょうか」
全ては、旧ジャニーズ問題解決への丁寧な取り組みから始まる。
(塚原真弓)