旧ジャニーズ事務所(現・SMILE-UP.)が引き起こした性加害問題で、テレビ局を中心に様々に対策が取られ始めている。CMスポンサーから契約の見直しが行われたことで、テレビ番組でも所属タレントが使いづらい状況に。
今後、所属していたタレントは新会社とのエージェント契約に移行する方向で調整されているが、それでも状況はすぐには改善されないだろうと前置きして、テレビ関係者はこう話す。
「テレビ局に痛手だったのは、これまでジャニーズに対して、忖度があったと明るみになったこと。民放キー局は、TBSが『報道特集』で社内調査の結果を発表したのをはじめ、放送日が未定のテレビ朝日以外はNHK、民放キー局は検証番組を放送ずみですが、その多くが手ぬるいと識者に指摘され、視聴者の評判が芳しくありません。すぐにはジャニタレを起用しづらいわけです」
そこで、今、テレビ関係者の間で注目されているのが、旧ジャニーズ事務所を騒動前に退社していた「辞めジャニ」の面々。バラエティ番組で活躍していた手越祐也、ドラマでの主演も多かった錦戸亮など、数多くの辞めジャニが退所した途端、テレビから姿を消した。また、元SMAP3人の「新しい地図」のメンバーも以前ほどにはテレビに本格復帰できないまま。テレビ各局の忖度がはたらき、辞めジャニが干されていたわけだが、もっか、着々と手のひら返しを行いはじめているという。
「ジャニタレがドラマやバラエティ番組で使いづらくなると、イケメン枠が枯渇してくる。俳優などはスケジュールも押さえにくいので、辞めジャニに頼りたいところです。また、辞めジャニを番組に起用すれば、忖度関係は解消したと世間にアピールできる効果もありそうです」(民放関係者)
そんな「辞めジャニ起用バブル」の波に乗っているのが、2020年に退所した山下智久だという。山下については、退所後は主に配信ドラマや映画に出演。2023年は、「SEE HEAR LOVE ~見えなくても聞こえなくても愛してる~』(Amazon Prime Video)や「神の雫/Drops of God」(Hulu)が配信。さらに、ドキュメンタリー番組『挑戦者・山下智久』(Hulu)も配信されるなど活発な印象だ。
「山下は、日本テレビ傘下のHulu関連の仕事が多く、結果として日テレの番組への出演も多い。最近では番宣という形で9月に『笑ってコラえて!』の2時間スペシャルに目玉ゲストとして出演。10月には『行列のできる相談所』にも登場しました。他局も、山下に番組出演をオファーしているようで、争奪戦が密かに繰り広げられています」(前出・民放関係者)
そんな中で、最も熱心に山下へのオファーをしているのが、フジテレビだと言われている。その裏事情を、制作会社関係者が明かす。
「山下が本格復帰したとはいえ、NHKのドラマや配信作品ばかり。民放ドラマでの主演復活は、フジテレビが絶対に獲得すると意気込んでいるようです。隠し玉として、フジでは『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の新作をオファーしているという話ですよ。映画作品も興行収入が93億円を超えていますし、配給した東宝も続編を望んでいる。実は、山下が今年の夏に開催したコンサートに、新垣結衣、浅利陽介、比嘉愛未というコード・ブルーの共演者が勢ぞろいしていました。関係者席にはフジの関係者も多数いたようで、続編の制作はかなり確度が高いと言われています」
電撃的な「コード・ブルー」の復活に期待は高まるばかりだ。
(渡邊伸明)