俳優・柳沢慎吾が「まつもtoなかい」(フジテレビ系)に出演して振り返った“今ならアウト”な昭和の芸能界の豪快エピソードの反響が続いている。
ゲストに柳沢とお笑いコンビ・中川家の2人(剛、礼二)を迎え、過去の芸能界の面白エピソードを語り合ったのは、同番組のさる11月12日放送回。
まず、中川家の剛が、新人時代のダウンタウンが舞台で客に悪態をつき、ネタ途中に帰ってしまったという出来事を懐かしんだ。これに柳沢は「今じゃアウトだもんね」と、多少の暴走が許された古き良き昭和の芸能界を「あの頃は楽しかった」と語る。と、その流れで、柳沢は役者の世界にも“突然いなくなってしまった人”がいたといい、「怒ってはないけど、東京駅でロケやってたのに、石立鉄男さんが(消えた)」と、2007年に他界した名優の実名をぶっちゃけ。撮影中、石立さんは突如、「(名古屋グルメの)きしめん食いてぇな」とボヤキ始め、柳沢は「でも、東京ですからねぇ」と機嫌を取っていたが、その後、姿を消したのだという。
現場では「石立はどこだ!?」とパニックに陥る中、スタッフの1人が「今、新幹線に乗って、名古屋行っちゃいました」と証言。結局、残された共演者やスタッフは、名古屋できしめんを食べて帰ってくるまで待ち続け、戻ってきた石立さんは口に楊枝をさしながら「おい、スタッフ、どっからやるんだよ!」と何食わぬ顔で撮影を再開させたという。
「東京駅から名古屋駅は、現在の最速特急列車『のぞみ』に乗っても片道約1時間30分はかかりますから、往復では3時間です。その間、主役の石立さんを待ち続けたこともすごいですが、戻ってきた彼がいっさい悪びれる様子もなかったことが、さすがの大御所伝説といったところ。このエピソードを聞いた番組MCのダウンタウン・松本人志も、石立さんの豪快さは知っていたようで、『あの人、スゴかったんですよね』『ケンカっ早くて…』とうなずいていました。また、他のドラマ撮影でも、遅刻してくることが日常茶飯事だったといいますが、当時の緊張感や生前の石立さんをコミカルに再現する柳沢のモノマネが『面白すぎる』として、視聴者からは『石立鉄男の話だけし続けてほしいくらい面白い』『もはや伝統芸能(笑)この辺のエピソードをまとめてDVDにならないかな…』『何かこういう楽しいエピソードも、いちいち“今はアウトだもんね”って言わなければいけないのが煩わしい』などの反応が並び、『この番組で過去一面白かった』との声もありました」(テレビ誌ライター)
“今ではアウト”だからこそ、コンプライアンスが徹底した令和のバラエティでは、貴重なエピソードとして視聴者からも重宝されるのだろう。
(木村慎吾)