「男たちの旅路」(NHK)、「岸辺のアルバム」(TBS系)、「ふぞろいの林檎たち」シリーズ(TBS系)などの名作ドラマの脚本を数多く手がけてきた山田太一さんが11月29日、老衰により死去。89歳だった。
山田さんが脚本を担当した1990年公開の映画「少年時代」では井上陽水が同名の主題歌をリリース。現在でもカラオケで歌う人は数多いが、同名映画の主題歌だったことを知っている人は数少ないかもしれない。
12月1日の朝、テレビ各局の番組にニュース速報が流れ、山田さんが死去したことが伝えられた。その日の生放送番組「あさイチ」(NHK)には役所広司が出演。山田さんの脚本による1980年放送のNHK大河ドラマ「獅子の時代」では自由民権運動家の村上泰治、1992年放送の単発ドラマ「悲しくてやりきれない」(TBS系)では妻に離婚されるも歯医者の待合室で知り合った女性と交際がスタートするファミレスの店長・平岡を演じたことがあることから「大好きな作家だったので、びっくりしましたけど‥‥。山田さんの作品に何度か出させてもらって。本当にテレビ界の、脚本家の、大きな星がまた亡くなりましたね」と、飾らない言葉で悼んだ。
「山田さんはテレビドラマには必ずCMが入ることから、それを逆手に取って時間経過や場面転換として利用したり、語尾の1字まで綿密に計算した脚本を書いたりしていたことから、出演者にはアドリブを許さなかったとの逸話があります」(芸能ライター)
はたしてこれから先、そこまで綿密に作り込んだ脚本を書ける脚本家は登場するのだろうか。