きっかけは宣材テープ!戸田恵子が明かす“アンパンマンの声”誕生秘話
現在NHKで放送中の連続テレビ小説「あんぱん」は、アンパンマンの作者・やなせたかし氏と、その妻・小松暢(こまつのぶ)さんをモデルにしたオリジナルドラマだ。ヒロイン・のぶ役を今田美桜、やなせ氏をモデルにした柳井嵩役を北村匠海が演じており、ドラマは現在、後半戦に突入している。
そんな中、アンパンマンに縁の深い“あの人”のサプライズ出演が話題になっている。アニメ「それいけ!アンパンマン」(日本テレビ系)で、1988年の放送開始以来、主人公・アンパンマンの声を務めてきた女優で声優の戸田恵子だ。ドラマでは、薪鉄子役として登場している。
戸田は、7月18日付のYouTubeチャンネル「ホイチョイ的映画生活~この一本~」に出演し、アンパンマン役に抜擢された当時のエピソードを振り返った。
基本的に声優は全キャストがオーディションで選ばれていたが、アンパンマン役は選考が難航。戸田はオーディションの声もかかっていなかったが、戸田の宣材用のテープを聴いたやなせ氏が「この方でいきましょう」と推してくれたという。
「事務所からある日、電話がありまして、普通のお仕事と同じように『何日からアンパンマンが決まったので、レギュラーなので(収録に)行ってください』って言われたんですね。アンパンマンは絵本で知っていましたが、私は『え、アンパンマンですか?アンパンマンの何役ですか?』って。まさか(アンパンマンだとは)思わなくて、他のキャラクターだと思ったら、『アンパンマンのアンパンマンです』って…」
やなせ氏と初対面の際には、こんな言葉をかけられたという。
「『日本一カッコ悪いヒーローだと思ってください』とおっしゃいました。顔をちぎって、みんなに食べさせるという。だけど、そうすると自分の体は弱ってしまう。『戦って相手を倒すばかりが正義ではない、身を挺して尽くすヒーローです』と」
“日本一カッコ悪いヒーロー”は今や放送37年目。テレビアニメでは「サザエさん」(1969年開始、フジテレビ系)、「ドラえもん」(1979年開始、テレビ朝日系)に次いで3番目の長寿アニメ作品となった。
(所ひで/YouTubeライター)
