これには全米も驚いた! 米MLBロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が12月15日(現地12月14日)、本拠地のドジャースタジアムで入団会見に出席。300人の取材陣が集まるなか、大谷が飼っている愛犬の名前が話題を呼んでいる。
現地のテレビ局「FOX LA」の記者は大谷の愛犬がどんな名前なのか、世界中が注目していると質問。ここで大谷は「デコピン」という名前を明かし、その意味が解る日本メディアからは笑い声があがっていた。
続けて大谷は、元々の名前が「デコイ」(Decoy)だと紹介し、近い発音の日本語でデコピンをあてたと説明。この発言はさっそく全米でも報じられ、MLBの公式Xでも「BREAKING: Shohei’s dog is named Decoy!」(速報:翔平の犬の名はデコイ!)とポストしていたのである。
「多くの日本人が『デコピン』という名前に沸くなか、一部からは元の英語名に関して《なぜ囮?》という疑問の声もあがっています。デコイは漁や釣りに用いられる囮(おとり)を意味するほか、軍事用語としても敵を欺くためのダミーだったり、敵艦や敵機を模した標的を指す言葉としてポピュラー。獲物を追う猟犬にはふさわしくない名前ではないかと、疑問に思う人も少なくないようです」(アメリカ在住経験のあるライター)
まさか大谷が自分に向けられるメディアの興味をそらすため、あえて可愛らしい愛犬を囮に使っているのか? そんなことまで訝ってしまいそうなところだが、当のアメリカ人たちは「デコイ」という名前にはとくに疑問は感じていない様子。
そもそも元のデコイという名前を付けたのは大谷本人ではない。それではなぜ彼の愛犬にはそんな名前が付けられていたのだろうか。
「デコイ(Decoy)は犬の名前として、決して珍しくはありません。アメリカでは牧場を荒らすコヨーテを追い払うために番犬を用いてきた歴史があり、彼らのことを『デコイドッグ』と呼んでいるからです。デコイという英単語はオランダ語に由来しており、元々は農家が犬を使ってアヒルを追い立てる際に使っていたワナのこと。それゆえ追い立てるという意味と、囮という意味の両方が派生しています」(前出・ライター)
大谷の愛犬は、かつてオランダでカモ猟に使われていたことで知られる犬種。それゆえオランダ語に由来する「デコイ」と名付けるのもごく自然のことだろう。もっとも日本人にとってはあくまで「デコピン」のほうがしっくりくることは間違いなさそうだ。