2025年度上半期放送のNHK朝ドラ「あんぱん」の主人公に決まった今田美桜。このドラマは「アンパンマン」の作者・やなせたかしさんと小松暢(のぶ)さん夫婦の人生を描くもので、今田は小松さんをモデルとした女性・朝田のぶ役を務める。
今田は、応募総数3365人のオーディションで主役の座を獲得したと発表されたが、ネット上では「完全なる出来レース」と指摘する声が多い。NHK朝ドラがオーディションで将来が期待できる新人俳優を見出して主人公に据え、主人公の成長とともに主人公を演じる俳優の成長も楽しめた時代は、すでに“遠い過去”となってしまったかのような言われようだ。
そんな“NHKの方向転換”が嘆かれる中、NHK朝ドラの「新しい見方」がここに来て話題になっているようだ。
「すでに各方面で活躍している俳優が主人公になった場合は、主人公の姉妹や幼なじみ、会社の同僚などのキャスティングに注目、という楽しみ方です。オーディションで『おや?』と目を惹く新人俳優は、必ず主人公周辺のキャラクターにキャスティングされ、NHKに“お試し起用”されるからです」(テレビ誌ライター)
記憶に新しいところでは、2019年度上半期放送の広瀬すず主演「なつぞら」で広瀬演じる主人公が務めるアニメ制作会社の後輩を演じた鈴鹿央士、2015年度下半期放送の波瑠主演「あさが来た」で波瑠演じる主人公の家の女中を演じた清原果耶と、主人公の娘の同級生を演じた吉岡里帆。さらにさかのぼれば、2014年度上半期放送の吉高由里子主演「花子とアン」で吉高演じる主人公の末妹を演じた土屋太鳳、主人公の幼なじみを演じた窪田正孝、主人公の友人の娘を演じた芳根京子など、今や主演を張る俳優たちが主人公周辺の小さなキャラクターとして“試用”されている例は枚挙にいとまがない。
「史実から考えると、やなせさんと暢さんは高知新聞で同僚として出会っています。今田が演じるのぶも、新聞社に勤めることになるでしょう。すると、この新聞社で同僚を演じる新人俳優に注目して視聴すると、主人公の演技やストーリーとはまた別の味わいがあるんです。のちの朝ドラで主役を演じるかもしれませんからね」(前出・テレビ誌ライター)
はたして「あんぱん」では、どんなメンツが主人公周辺に起用されるのか。