こんな2歳児、どこの世にいるの? 子育て世代の視聴者たちが呆れ果てていたようだ。
2月19日放送のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」第97回では時代が昭和24年の夏へと進み、ヒロインのスズ子(趣里)は初の映画に挑戦。これまでは歌手として活躍していた彼女が新たなステージに挑む様子が描かれた。
スズ子のモデルである笠置シヅ子は、前週に披露した楽曲「ジャングル・ブギー」を昭和23年にリリース。同曲は黒澤明監督の映画「酔いどれ天使」の劇中歌であり、笠置自身も「ブギを歌う女」の役で出演し、同曲を歌いい踊っていた。
つまりスズ子が昭和24年になって初めての映画に挑戦すること自体、史実とは異なっている。もっとも「ブギウギ」でこの手の史実改変はもはや日常茶飯事となっており、視聴者もすっかり慣れっこだろう。ところが今回、演出の一環だとしても、さすがに受け入れがたい描写があったというのだ。
「第97回の冒頭では長女の愛子が障子を破りまくり、スズ子から怒られる場面が。子供のイタズラを描いた場面でしたが、ここで視聴者から《愛子がデカすぎる!》と驚きの声が続出。いくらなんでもこの配役には無理があるとの呆れ声が飛び交っていたのです」(子育て中の女性誌ライター)
愛子を演じる子役の小野美音は2017年8月生まれで、現在6歳。4月から小学生になる年長さんだ。いっぽうで愛子は昭和22年の夏に生まれており、作中では2歳になるところ。なんと小野は自分より4歳も若い、幼すぎる役を与えられていたのである。
子役の年齢と役の年齢を完全に合致させるのは難しいとはいえ、さすがに2歳の役を6歳の子役にやらせるのは無理が過ぎるというもの。子供のいない人にはピンとこないかもしれないが、言うなれば二十歳を過ぎた大人に小学生の役をやらせるくらい無理があると言えば、分かっていただけるだろうか。
「朝ドラでこんないい加減な配役をすることに驚かされました。前作の『らんまん』では主人公の万太郎役を演じる子役を成長に合わせて交代。第1週の幼少期には9歳の森優理斗を、第2週以降の少年期には11歳の小林優仁を起用し、万太郎がすくすくと育っていく様子をしっかりと描いていたものです。さらに言うと『ブギウギ』と同じ大阪放送局が制作した『カムカムエヴリバディ』では、二代目ヒロイン・雉眞るいの幼少期を実に10人もの子役で演じ分けていました」(前出・女性誌ライター)
雉眞るいの場合、0歳児の場面では実に6人もの子役が登場。ただしこれは赤ちゃんモデルの起用時にはままあることだ。
ただその後も1歳児の場面で二人の赤ちゃんモデルを使い分け、3~6歳では中野翠咲(当時6歳)、7歳では古川凛(当時10歳)と、成長に合わせて細かく子役を交代させていたのである。
「今回の『ブギウギ』では笠置シヅ子の生涯をなぞっていることもあり、今後も作中の年代は一年ごとに描かれていくはず。朝ドラの流儀に従えば、愛子役を成長に合わせて次々と交代させていきそうなものです。ところがのっけから6歳の子役に2歳の役を演じさせるというトンデモ配役を見せつけられたのですから、もはやドラマの常識さえ捨て去ってしまったのかと呆れるほかありません」(前出・女性誌ライター)
前出の「カムカムエヴリバディ」では、当時48歳の深津絵里が雉眞るいの17歳から81歳までを演じ分け、視聴者を驚かせたものだ。もしや「ブギウギ」の制作陣はその実績を受けて、何の疑問を持つことなく2歳児の役を6歳の子役にやらせたのだろうか。さすがにそれは無理があり過ぎると、各所からツッコミが入るのも当然のことだろう。
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