【「ゴジラ-1.0」アカデミー賞快挙】受賞部門の価値を上げたメキシコ映画監督の“半端じゃない怪獣好き”

 宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞を受賞した、第96回アカデミー賞。 海外でも評価が高い宮崎監督の受賞のニュースを知ったジブリファンからは、ネット上にも喜びの声があふれたが、そのニュアンスは、「当然の評価」で、驚きと言うより「納得」の感情がにじみ出るようなコメントも少なくなかった。

 一方で「驚き」「快挙」といった感想のほうが目立って飛び交う形で、日本の映画ファンのネット民を大歓喜させたのは、大ヒットした「ゴジラ-1.0」の「視覚効果賞」受賞だ。数ある賞の中で目立つ賞ではないものの、「ミッション・インポッシブル」最新作や大ヒットマーベル映画を退けての受賞は確かに「価値」を感じさせ、SNS上では大いに盛り上がった。そして、それを後押ししたのが、今回のゴジラの快挙に、ある海外の著名人が即座に反応したことだという。

「6年前の第90回アカデミー賞で『シェイプ・オブ・ウォーター』で4部門を制したメキシコの映画監督のギレルモ・デル・トロ氏が即座にSNSを投稿したんです。そこには『KAIJU KING + Tokusatsu=OSCAR』の文字が。つまり、怪獣王ゴジラの特撮がオスカーを獲ったという祝福です。これには『どっかの怪獣好きの投稿だと思ったら、世界最高の怪獣ファンの投稿だった!』など感謝の声があふれたわけです。というのも、デル・トロ監督は大の怪獣好き。自身のSFバトル映画『パシフィック・リム』シリーズでも、敵のモンスターをあえて“カイジュウ”という表現で通しました。今回のゴジラの快挙を本当に喜んでくれているという雰囲気です。ともすれば、視覚効果賞はすぐに忘れられてしまう賞かもしれませんが、こうしてオスカー受賞監督が祝福してくれたことで価値は高まったという気がしますね」(エンタメ誌ライター)

 作品賞など主要7部門は、「原爆」の開発を率いた科学者を題材にしたクリストファー・ノーラン監督の「オッペンハイマー」が受賞。

「日本ではなかなか公開が決まらず紆余曲折があった(3月29日公開が決定)ことから、『水爆』実験が生んだ怪獣『ゴジラ』がオスカーを受賞したのは日本に対する“忖度”ではないか、という根拠のない憶測まで一部ネット上で飛び交いました」(映画ライター)

 そんな裏事情抜きで、昭和の怪獣王が令和にアカデミー賞を受賞したことを素直に喜びたい。

(塚田ちひろ)

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