お笑い芸人・みなみかわ(2005年より在籍)やキンタロー。(12年より在籍)らが続々と退所を発表している松竹芸能。同事務所に所属する安田大サーカス・クロちゃんはそうした流れを「ラッキー」だとは感じているようだ。しかし、その心の奥は…。
クロちゃんが、ラジオ番組「パンサー向井の#ふらっと」(TBSラジオ)にゲスト出演し、意外な「松竹愛」をアピールしたのは、さる4月22日放送回でのこと。01年より松竹に身を置く先輩・クロちゃんは、いずれも事務所を牽引する活躍ぶりを見せてきたみなみかわと、キンタロー。といった“脱松竹芸人”について「勝手に辞めてくれって思うね」と突き放した。「どういう事情があったのかわからないけど、辞めるってことは全然ね、別にいいんですよ。けど、ボクは松竹愛にあふれてますから。基本的にもう売れてるやつらとか全員(事務所を)辞めてくれって思ってる」と、まずは正直な思いを口にした。事務所の芸人が減れば、自分に舞い込む仕事の量が増えるメリットがあるとし、「逆に辞められてオレはラッキーだと正直、思ってるからね」と強調。「やっと、何かいい感じになってきたのにね。辞めますからね。中にいながら松竹の文句を言いながら『(でも)愛してます』のほうが絶対いいと思ったんだけどね」と不思議そうに語っている。
「“辞めてくれてラッキー”と悪ぶっているクロちゃんですが、実は後輩思いな一面もあり、同じく松竹のベテランコンビ・ますだおかだの岡田圭右は、19日に放送された『バラいろダンディ』(TOKYO MX)で、『この間、クロちゃんが1人でプンプン怒ってましたよ。あの男、ああ見えて松竹愛にあふれてるから』と明かしていますよ。キンタロー。とみなみかわの退所に納得できず、2人の今後も心配していたといい、クロちゃん自身は『何でこんなにいい会社を辞めるのかわからない』と話していたようです。みなみかわは、公私で親しい元松竹の後輩・さらば青春の光(森田哲矢、東ブクロ)が、個人事務所ながら22年の会社年商が3億7000万円に達するほどの活躍ぶりを披露している影響も大きいのでしょう。最近では、SNSから直接企業案件を受けることも可能で、YouTubeからの収益もあります。必ずしも事務所に身を置かなければ活動ができないという時代は終わりを迎えつつあるのかもしれません」(テレビ誌ライター)
とはいえ、クロちゃんのように育ての親を愛する芸人が消えてしまえば、今度はお笑いタレントの育成にも悪影響が出てしまう可能性もある。“クズ芸人”として名高い彼ではあるが、そのあたりは意外にも義理堅い男だったようだ。
(木村慎吾)