あなたは、他人と自分を比べて落ち込んだり嫉妬したりした経験はありませんか。逆に、自分より不幸な人を見て「私はまだまだ大丈夫」と思った経験は? 実は、こうやって自分と誰かを比較することにはメリットとデメリットがあるんです。詳しく解説していきましょう。
■比較してしまう心理とは?
心理学者のレオン・フェスティンガーは、「社会的比較過程論」という理論を提唱しました。この理論には、上方比較と下方比較という用語があります。
上方比較とは、自分より優れている人と自分を比較して「あの人のようになりたい」と憧れること。一方の下方比較とは、自分より不幸な人や能力的に劣っている人を比較して安心すること。とくに、精神的に落ち込んでいるときなどは、下方比較をしがちだといわれています。
■上方比較・下方比較のメリット
この2つの思考法にはどんなメリットがあるのでしょうか。
上方比較をすると憧れの人や目標の人のように自分もなりたいと思うため、モチベーションがアップします。下方比較には、「あの人よりはマシ」「あの人よりはできている」と考えて、自己肯定感を高められるというメリットがあります。
■上方比較・下方比較のデメリット
続けてデメリットをみていきましょう。
上方比較のデメリットは、憧れの人が自分より能力があり過ぎるため、目標が高過ぎて「自分には無理だ」とマイナスに考えてしまうことがあります。下方比較では、自分より上をみることがないのでモチベーションが下がりやすく、現状に満足してしまうというデメリットがあります。
基本的に、人は何かに向かって努力していたりモチベーションを高く持っていたりする方が生きがいを感じやすいため、下方比較をすることによって毎日がつまらなく感じてしまう可能性もあります。
人と比較することの是非はともかく、比較することの心理を知り、自分がどういう状況にあるのかを客観的にみることは大事かもしれませんね。
大山奏(おおやまかなで) 大学で心理学を専攻し心理カウンセリングを学ぶ。心理学を恋愛やライフスタイルに応用して楽しむ方法をいつも考えている。アロマテラピスト、カラーセラピスト、整体師でもある。多くの媒体で恋愛コラム、ハウツーを執筆中。