3月29日より日本で公開され、7部門のアカデミー賞にも輝いた話題作「オッペンハイマー」について、“愛国芸人”として知られる小籔千豊は「見ないです」と断言し、その理由を説明したが、動画の視聴者からは賛否の声が飛び交っている。
お笑いコンビ・千原兄弟の千原ジュニアやフットボールアワー(後藤輝基、岩尾望)とともに出演するYouTubeチャンネル「ざっくりYouTube」。「オッペンハイマー」を劇場で鑑賞したというジュニアが、アカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞などの主要部門を制覇してもいるメガヒット作について語り始めたのは、さる4月20日の生配信でのことだった。
飲み会トークが繰り広げられる同配信で、「見てほしいねんなぁ~」と勧めるジュニア。ところが、小籔は「ボクは見ない」と一蹴したのだ。
同チャンネル内では、仏教を愛する小籔が“愛国心強め”なトークを展開するやり取りが恒例。それだけに、岩尾から「“見ない”っていうのは思想的なこと?」と聞かれると、「思想的なことじゃなくて、日本がひどいことをされて、その映画にお金は払いたくないなって、個人的に思うんです」と答えていた。
「『オッペンハイマー』は第二次世界大戦中に原爆開発プロジェクトの委員長を任された“原爆の父“で物理学者ロバート・オッペンハイマー氏の苦悩と葛藤を描いた伝記作品です。劇中では広島と長崎への原爆投下に触れる場面や、日本のどのエリアに投下するかを話し合っているシーンも含まれるなど、日本人にとっては複雑な描写があるのも事実。そのため、小籔の主張には『ごもっとも』『私も同じです。なんでわざわざお金を払って観なきゃいけないのか分からない』とする声や、映画が、原爆の恐ろしさや、罪深さについても焦点を当てていることに着目し、『日本人こそ見るべき作品だと思う』『原爆を賛美してるわけでもなく、むしろ随所に核兵器への警鐘を鳴らしてるように思えた』との指摘も見られました」(テレビ誌ライター)
同作は本来、昨年の夏から秋にかけての日本公開を予定していたが、その内容を鑑み、配給会社が上映を延期する判断を下していた。
様々な感情が渦巻く中、国内でも16億円の興収を突破する大ヒットとなっている。重厚なヒューマンドラマとしては一見の価値があるとの評価も多いだけに、小籔の評価もやはり聞いてみたくはなってくる。
(木村慎吾)