デニムにバイク、車に時計、シューズにサーフィンほか、木村拓哉の趣味は幅広い。妻の工藤静香とは、サーフィンを通じて距離を縮めてゴールインした。あまたのキムタクファンは、木村の頭の先から足の先までをフルでトレース。同じアイテムを買い、同じ髪型にすることで自己を満足させた有名芸能人も多い。
木村にとって、家族4人が住む御殿、愛車に続いて高値であろう所持物はデニムだろう。昔から古き良き時代のアメリカングッズが大の好物。数えきれないほど所有しているデニムでも、超プレミアなのは1942年から45年ごろに世に出た大戦モデル。木村は、その直後にあたる「LEVI’S 501XX 1946年モデル」を持っている。現在換算で、軽く300万円を超える。
「1946年のは、金具より大きいオールイエローステッチ。戦争後の『LEVI’S 501XX 1947年モデル』は、俗称・よんななモデル。復刻版でも一番人気で有名で、木村さんも所有。これが150万円。さらに、同じ型ながらも300万円の高値が付いた1本もあり、わずか3本で750万円超えの“キムタク価格”です」(ウェブマガジンのライター)
木村は、幼い頃にアメリカのカルチャーに傾倒した。映画でジェームス・ディーンを観た時も、演技力や内容よりはいていたLeeに目が奪われた。SMAP時代は、方々でネイティブアメリカンのカルチャーが好きであることを公言した。すると、22歳の時に特番「挑戦! 木村拓哉22歳カウボーイ体験記」(フジテレビ系/95年)への出演が決まった。
同番組は、木村がアメリカのコロラド州にあるウィーバーランチ牧場で1週間のカウボーイ生活を送る内容。当時は馬に乗れず、部族の儀式に参加、家族を大事にするカウボーイの生態に触れた。今でも忘れられないのは、ネイティブアメリカンを理解している自分をアピールするために、あえてとっておきの一張羅を着用して訪問したことだ。
「LEVI’S 501のデニム、TONY LAMAのウェスタンブーツをはいて行ったんです。すると、本物のカウボーイから『おまえ、アーバンだな』と見破られ、『オレたちがはいてるデニムを見ろよ』とリアルを見せられた。それは、外側はもちろん、内側の裁断、縫い目がLEVI’S、LEEよりも立ち上がりが少ないWranglerの製品。LEVI’Sは都会的(アーバン)だったのです」(前出・ウェブライター)
木村はアーバンのアイコンといえる存在だが、30年ほどの前アメリカではそれが裏目に出た。所有するLEVI’S 501シリーズには、作り上げたシワに思い出も刻み込まれているようだ。
(北村ともこ)