キャリアを重ねた有名芸能人は、ロケ経験が豊富だ。コンプラを無視した番組づくりをしていた時代を駆けぬけた者は、“命からがら”を何度も経験している。SMAP時代の香取慎吾は、そんな1人だ。
芸能界デビューは11歳。現在47歳で、中学生からアラフォーまではSMAPとしてアイドルのトップに君臨した。グループ全員が料理やコント、ゲームやロケ、音楽ほかエンタメをギュッと凝縮させたのは、1996年から解散した2016年まで続いた「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)。一方で、香取がソロで腕を磨き、お笑い芸人と同等のハードロケに挑んだのは「香取慎吾の特上!天声慎吾」(日本テレビ系)だ。
共演者のキャイ~ンとは、08年の番組終了後も大親友のまま。番組時と同じく、今でも香取は「王子」と呼ばれ、天野ひろゆきを「あまのっち」、ウド鈴木を「ウッディー」と呼ぶ。プライベートでも親睦を深める数少ない芸能人だ。この番組で香取は、生死をさまよっている。
滝ロケの際、滝つぼに落下して2分間ほど上がってこなかったのだ。3人ほどで入る桶で急流下りをしたとき、溝にはまってしまった。事前にレスキュー隊から、「万が一のときはオレンジのロープをつかんでください」と忠告されていたため、パニックになった際につかんで、引っ張り上げられた。
「濁流に飲まれたおよそ2分間は、洗濯機の中にいるみたいでグルグル回っていたらしいです。時間の経過とともにスタッフの顔色も変わりはじめ、浮上したときウドさんは『王子!』って叫んで号泣していた」(テレビ誌の編集者)
同番組には、3月で放送作家業から引退した鈴木おさむ氏が演出に加わっていた。同氏は、SMAPにアイドルの既成概念を崩すことを強いていたが、この時ばかりは肝を冷やしたに違いない。前出の編集者が続ける。
「炎天下のお台場の駐車場で、キャイ~ンと香取さんが肌着1枚で寝かされて、バターを塗りたくられた身体を犬に舐められるロケもありました(笑)。その“バター犬”は、かわいい小型犬から大型犬までズラリ。天野さんは同様に、鳥でもされたことがあります」
香取は12歳の時、「アイドル共和国」(テレビ朝日系)にレギュラー出演。女性ファンと一緒に超巨大な白い袋の中に入って、宙吊りにされ、制限時間内に着ている服を交換するおバカ企画に挑戦している。開封された袋から出てきた香取は、しっかり女の子ファッションに変身。小学生にして、笑いの才能を発揮していた。
もうアラフィフ。さすがに無茶はできないか。
(北村ともこ)