近年、ヨーロッパサッカー界で着実に頭角を現しているレアル・ソシエダ所属の日本代表MF久保建英が、晴れて“アジアNo.1”プレイヤーとなった。
2023-24の昨シーズンは、ラ・リーガに国王杯、UEFAチャンピオンズリーグと3つの主要大会をこなし、41試合出場7ゴール5アシストという結果を残した久保。22-23シーズンに記録したシーズン9ゴールという自己ベストには及ばなかったものの、20-21シーズンのヘタフェ時代や、21-22シーズンのマジョルカ時代には、それぞれ年間1ゴールに終わっていたことを考えれば、その成長ぶりが窺える。
すると、この23歳の若きサムライを、ついにアジアのトッププレイヤーとして評価したのが、スイスのスポーツ国際研究機関「CIES Football Observatory」が算出した統計データである。
同機関は世界のサッカーにまつわる様々な統計を解析し、発信する中立組織で、6月12日までにアジアプレイヤーの最新市場価値を発表。各選手のキャリアにおける活躍ぶりや直近のコンディション、年齢、プレイするリーグのレベルなども加味したランキングとなっており、このトップに久保が選出されている。
「上位10人に入った日本人は計6人(久保、三笘薫、伊藤洋輝、冨安健洋、堂安律、遠藤航)と大半を占め、サムライブルーの飛躍を感じることができますが、中でも久保の市場価値はズバ抜けています。2位のパリ・サンジェルマン所属で韓国代表MFイ・ガンインが4970万ユーロ(約85億円)だったのに対し、久保は9200万ユーロ(約157億円)とおよそ倍近い価値があると算出され、これは日本人選手として史上最高額の数字です。久保の場合、2019年から参戦するスペインの地では、怪我やコンディションのムラなどもあり、いまだにシーズンを通して安定した成績を収めることができていません。昨季の7ゴールについても、うち6ゴールは昨年12月9日までに奪ったもので、シーズン後半戦はやや失速。つまり、シーズンをフルで活躍することができれば、この157億円という市場価値はさらに伸びることが予想され、来季以降の安定したパフォーマンスに期待したいですね」(スポーツライター)
現在は、19年に契約したスペイン屈指の名門レアル・マドリードが久保の保有権を握るものの、リヴァプールやマンチェスター・ユナイテッドなど、英国方面からの関心が継続して噂されている。
はたして“アジア最強”となった久保を射止めるクラブはどこなのか。残留の可能性も含めて、その去就に注目していきたいところである。
(木村慎吾)