世の中では賃上げムードが漂っていますが、それは正規雇用のケースが多く、パートやアルバイトで働く人たちにとっては賃上げって現実的ではありませんよね。とくに、“年収の壁”を超えてしまうと手取りが減ってしまう扶養内で働く主婦層にとっては、賃上げ自体がありがた迷惑になってしまいます。
そんな中、“第3の賃上げ” に期待が高まっています。これは、福利厚生で食事補助などを提供することによる“賃金ではない”賃上げのこと。パートやアルバイトにも適用されやすく、年収の壁を超えずに実質手取りがアップするなどのメリットがあります。
この第3の賃上げを推奨する企業の一つで、「チケットレストラン」というICカードによる食事補助サービスを提供するエデンレッドジャパンが、賛同企業などとともに2024年7月にラウンドテーブルを実施。その中で、パートやアルバイトなど非正規雇用の職員に対しても有効な第3の賃上げを提案していました。
実際、福利厚生によって実質手取りが上がるなら、パートやアルバイトの給料が主な収入源となる主婦層にとっては、第3の賃上げが心強い味方になってくれそうですね。
■第3の賃上げの事例
部品検査の会社であるサニクロは、「パート社員は一番重要な存在。賃金以外の何らかの形で還元したい」との考えから、食事補助サービスを導入したそうです。
職場の周囲に飲食店が少ない中、パートで働くある主婦はランチにコンビニで弁当を買うことも多かったことから、コンビニでも使えるチケットレストランを選択。「年収の壁に触れない賃上げと、日々の食費がまかなわれることがメリット」と話します。
そして、「休憩時間の話題として、コンビニの新しいお弁当やお菓子、使えるお店の情報などが挙がり、従業員同士の情報交換やコミュニケーションのよききっかけにもなっている」そうです。
生活費や食費に敏感な主婦にとっては、食事補助という福利厚生による第3の賃上げは、通常の賃上げ以上にメリットもありそうです。人手不足が叫ばれる昨今ですが、こうした取り組みを実施している企業により人が集まるのかもしれませんね。