アクションドラマ「仮面ライダー」(テレビ朝日系)をスタントマンなしで撮影していた唯一の人物が、初代を演じていた藤岡弘、だったようだ。8月17日放送の「人生最高レストラン」(TBS系)で藤岡本人が打ち明けている。
現在78歳の藤岡は1971年から73年にかけて「仮面ライダー」の主人公・本郷猛役を務め、一躍大スターの仲間入りを果たしたが、本人は「与えられた自分の仮面ライダーっていうのを、どうやって自分がこなせるかっていうか、乗り切れるかっていう不安と、日々プレッシャー」だったと振り返る。
アクション俳優として「体は鍛えていたんで、身体的には自信があった」というが、仮面ライダーの演技で求められる動きは「演劇的なアクションで、本当の武道じゃないんですよ」と説明。そのため、独特な動きを習得するのに時間がかかり、「申し訳なかったのは、私が未熟で、蹴りが当たっちゃう時がある」と敵役・ショッカーとのハプニングを打ち明け、「私の未熟さゆえに当たっちゃって、ボクは平謝りですよ。申し訳なくて」と語る。
番組では藤岡が演じていた仮面ライダーの映像が紹介され、「見えないんですよね、この仮面で」と藤岡。番組MCの極楽とんぼ・加藤浩次が「全部藤岡さんがやってるの!?」と尋ねると、藤岡は「これ、僕です。全部、中に入ってます」とアクションシーンは自分で演じていたと告白した。
続けて「初期の頃は全部ボクが入ってやってたんだけど、ボクの代だけなんですよ。なぜかというと、ボクがやってた時に生死をさまようような大事故を起こして。そこからスタントマンで分けようという取り決めになったみたいです。ボクが原因を作っちゃった。10話以降は入れなかった」とし、2代目以降はスタントマンが危険なシーンを演じていたという。
「つまりは仮面ライダーとしてド派手なアクションを本人が演じた唯一の俳優ということになり、9話まではある意味で幻のエピソードともいえますね。そんな藤岡は自動車免許の更新で検査を受けたところ、70代ながら『動体視力が30代だって言われて』と仰天の数値を明かし、現在でも視力の低下や老眼は『全くないです』『裸眼で新聞読んでます』と明かしています。仮面ライダーを演じていたのは25歳から27歳にかけてでしたが、今も人間離れした身体能力やエネルギッシュなパワーは衰えがないようで、若くから修行を積んできた武道や滝行の影響もあるのかもしれません」(テレビ誌ライター)
それほどのバイタリティを誇る鉄人の藤岡からキックを浴びてしまったショッカーのダメージがいまさらながら心配になる…。
(木村慎吾)