9月6日、自民党総裁選への出馬会見に出席した小泉進次郎氏が、記者から「知的レベルの低さ」を指摘する“失礼な質問”を受けるも、それに対する回答が「パーフェクト」だと絶賛されている。
小泉氏の出馬を巡っては、彼の独特で伝わりづらいことがある言い回しが「進次郎構文」「ポエム」などとイジられることが多く、元衆議院議員・金子恵美氏からは公然と「地頭が良くない」と一蹴されることもあった。
今回の総裁選を勝ち抜けば、その先には内閣総理大臣という重責が待っており、この日の会見ではフリーランスの記者から「(首相として)G7に出席されたら、知的レベルの低さで恥をかくのでは?」との質問が浴びせられた。
これに小泉氏は「私に足らないところが多くあるのは事実だと思います。完璧でないのも事実。ただ足りないのを補ってくれる最高のチームを作ります」と返すと、今のご質問していただいた方は…お名前なんでしたっけ?」と、記者の名前を確認すると、記者の名前を口にしながら「〇〇さんに、このようなご指摘を受けたことを肝に銘じて、“アイツ、マシになったな”と思っていただけるようにしたい」とストレートな質問を真摯に受け止めていた。
この小泉氏と記者のやり取りについて取り上げた、9月7日放送の「ドッとコネクト」(関西テレビ)では、元宮崎県知事でタレント・東国原英夫が前者の受け答えを「パーフェクトですね。こんな知恵があると思いませんでした。素晴らしい」と称賛。また、小泉氏に手厳しい質問をぶつけたように見えて、実は同氏の株を上げる手助けをした格好となった記者の質問に関し、ノンフィクション作家・石戸諭氏も「質問としてはイマイチ。厳しいようで厳しくない」「批判的なトーンで突っ込んだ割には、うまく切り返した事で小泉さんの株は爆上がり。(質問した記者に)ナイスアシスト!という感じですよね」と分析している。
「“知的レベル”をイジられながらも、まるでこうした質問が出ることを予期していたかのような流れるような巧みな返しで案の定、世間からは、同情票も集め、小泉氏への印象が良くなったとする意見が上がっています。また、意図したのかどうか、記者の名前を自然な流れで“晒す”かのように、何度も口にしたことで、不名誉な形で記者の名前が拡散される事態にもなっており、図らずとも小泉氏からの“倍返し”を食らっている状況です。もっとも、その記者は一部メディアに今回の件で、ネットで炎上していることを認め、『思ったとおりです』と、語っており、さしてダメージは受けていない様子ですが、それでも、記者の視点に立てば、小泉氏の“構文回答”のようなものを、質問によって暴きたかったのかもしれませんが、そこはうまくかわされたと言っていいでしょう。が、ネットでは、感情的にならず冷静に対応した小泉氏を讃える声が多く、『進次郎構文を回避した』として評価されています」(テレビ誌ライター)
なお、小泉氏は「環境相時代の私の発言が適切に伝わらなかったことがあったとしたら、それは反省しています」とも話しており、今後は「国民に伝えたいことが明確に伝わるよう努力したい」と誓っていた。
“ポエマー”とヤユされた頃の自分から脱却し、国を背負うことの覚悟を決めたようにも思えるプラスなイメージを放った出馬会見となった小泉氏。この勢いを投票日まで持続できるか。
(木村慎吾)