イングランド・プレミアリーグの名門リヴァプールでは満足のいくパフォーマンスを残せなかった日本代表MF南野拓実だが、全盛期のコンディションを取り戻した今、同リーグへの復帰の可能性が取り沙汰されているようだ。
南野は2020年1月にオーストリアのザルツブルクからリヴァプールへ移籍するも、FWロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネ、モハメド・サラーが形成する世界最高峰の3トップに割って入ることができず、わずか1年後にサウサンプトンへレンタルで放出される憂き目に遭っていた。
21年夏には再びリヴァプールへ復帰したが、チームが新たにコロンビア代表FWルイス・ディアスを迎え入れたこともあり、苦しい立場は変わらず。継続的な出場機会を求め、22年6月に加入したフランス・モナコでは、昨季9ゴール6アシストと覚醒し、チームの主軸として君臨している。
また、9月19日開催のチャンピオンズリーグ開幕戦では、強豪バルセロナを相手に印象的なプレイを見せ、スペイン代表DFエリック・ガルシアのファウルを誘発。これがガルシアの退場につながるなど、ビッグクラブを相手に堂々たるハイパフォーマンスを披露した。
すると、そんな復活を遂げた南野に対し、再びイングランドからの関心が寄せられていると報じたのは、スペインの移籍専門メディア「Fichajes.net」である。
同メディアによると、現在の南野に「プレミアリーグの複数チームが興味を持っている」とのことで、「昨年に大きな成功を収めたモナコにおけるキープレイヤー」であるとも表現。リヴァプールでの2年間が決して実りあるものではなかったことにも触れつつ、その後のフランスでの復活により、イングランドからの再度の関心につながったというのだ。
なお、同メディアは南野の獲得に必要な移籍金を2000万ユーロ(約32億円)と算出している。
「南野自身が“プレミアリーグでの活躍”という点にどこまでこだわりを持っているかはわかりませんが、日本のサポーターの間では、あまり英国への再上陸を望む声は多くありません。というのも、南野はモナコ加入初年度の2022-23シーズンは大きく適応に苦しみ、戦力外秒読みのような状況でしたが、昨夏にザルツブルク時代の恩師アドルフ・ヒュッターが新監督に就任したことで、以降の立場が一変。南野自身、23-24シーズンは全盛期を思わせるハイレベルなプレーを見せつけ、中心選手になるほどの復活を遂げました。よって、ヒュッター監督の下を離れてまでイングランドへの再挑戦に臨む価値はあるのかというのがサポーターの本音のようですね」(スポーツライター)
現在29歳とこれ以上のベンチ生活を過ごすのは非常にリスキーな年齢でもある。ようやくつかんだ全盛期の感覚を絶やさぬよう、今は冷静な去就の判断が求められる局面ではないだろうか。
(木村慎吾)