曽田陵介の快進撃が止まらない。10月29日放送の遠藤憲一主演ドラマ「民王R」(テレビ朝日系)で演じた貧困から闇バイトに手を染めようとしていた木下直樹を圧倒的な表現力で演じ、話題となっている。
書生・田中丸一朗太役のなにわ男子・大橋和也と秘書・冴島優佳役のあのは、曽田演じる木下に骨の髄まで完全に「食われていた」。
刑事・猫田マモル役の山時聡真だけは、木下(曽田)から発散される異常なエネルギー量に引っ張られたことが功を奏したのか、前作「民王」から新加入した3人の中で唯一「食われずにいた」ことは特筆すべきだろう。
遠藤演じる泰山は今回、曽田演じる木下と入れ替わることになったのだが、「曽田が演じている木下」というキャラクターが「民王R」の中で生きているのではなく、木下直樹という若者が「民王R」というドラマに間違って出演し、うっかり泰山(遠藤)と入れ替わってしまったような感覚を味わわせてもらった。「見た目は木下、中身は泰山」となった時の曽田には、まさに「鬼気迫る迫真の演技」を見せてもらった。いつの間に曽田がこんなにも全身全霊で演じるキャラクターとシンクロするようになったのか、本当に驚いた。これぞ役者の心意気だと思った。アイドルだのタレントだのとは一線を画した演技を見せてくれた曽田は、きっともう「役者沼」にオチてしまっていると思う。
11月5日に第6話が放送される宮世琉弥主演ドラマ「スノードロップの初恋」(フジテレビ系)では、いわゆる「恋の当て馬役」でヒロインの奈雪(小野花梨)の幼なじみ・和真を好演している曽田。「民王R」で木下を演じる曽田を見ていた約1時間後には、「スノードロップの初恋」でお金に困ったことのない社長の息子・和真を演じる曽田を見たから、なおさらその表現力の豊かさと緻密さを感じたのかもしれない。きっと来年は今年以上に仕事がどんどん舞い込んでくることだろう。期待してるよ!
(森山いま)