40代も過ぎてくると、そろそろ老後の暮らしを考え出す時期ではないでしょうか。そんなとき、他人事になりがちなのが「骨粗鬆症」のこと。実はこれ、決して他人事ではなく、症状が出ると恐ろしい事態になってしまうのです。
そこで今回は、2024年10月にジョンソン・エンド・ジョンソン メドテックがヘルスリテラシー向上を目的に実施した骨粗鬆症セミナーに登壇していた、九段坂病院診療部長兼整形外科部長の大谷和之さんによる講演をもとに、骨粗鬆症の恐ろしさや予防策を紹介していきます。
■骨粗鬆症とは?
骨粗鬆症とは、WHOの定義では「低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し、骨折の危険性が増大する疾患」を指します。
「布団でつまずいただけなのに……」「家の中で尻もちをついてしまったら……」「スーパーで米を持ち上げただけなのに……」といった患者さんの声が多くあるように、外からかかるわずかな力でも骨折しやすくなってしまうことが分かっています。
2015年の統計では、有病率は男性約300万人、女性約980万人といわれており、女性のほうが多い傾向があります。年齢でいえば、閉経後にとくにリスクが高まるとか。骨折が介護につながることもあり、人生100年時代において長く健康に生きるためにも、若いうちから注意することが必要です。
■骨粗鬆症の予防策
実は、骨粗鬆症になるかどうかは、若い頃からの食事と運動も関係しているといわれています。日頃から骨量と筋量を高めるための食事や運動、生活習慣に注意したいものです。
中高年期においても、喫煙と飲酒をできるだけ控え、食事ではカルシウムやビタミンD、ビタミンKを意識して摂取しておくことが重要だといいます。
カルシウムを多く含む食品には牛乳・乳製品・小魚・緑黄色野菜・大豆・大豆製品が、ビタミンDを多く含む食品には魚類・きのこ類が、ビタミンKを多く含む食品には納豆・緑色野菜があります。
また、過剰摂取を避けたほうがいい食品については、リンを多く含む加工食品や清涼飲料水、食塩、カフェインを多く含むコーヒーや紅茶、アルコールが挙げられます。
■骨粗鬆症性骨折の発生予測「FRAX」を受けてみよう
「今、自分は骨粗鬆症のリスクがどのくらいあるのかな?」と不安に思ったら、WHOがWeb上で提供している、骨粗鬆症による骨折の発生予測「FRAX」を試してみましょう。11個のチェック項目に答えることで、10年以内の骨折リスクを%で判定してくれます。