お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志が週刊文春の性加害疑惑報道をめぐり、5億5000万円の損害賠償と記事訂正を求めた訴訟では、着手金だけでも相当な金額を要する大掛かりな裁判だったようだ。
11月17日放送の「上沼・高田のクギズケ!」(読売テレビ)に出演した本村健太郎弁護士は、松本サイドが発表した声明文の“気になる点”として、「訴えている内容等に関し、強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました」との箇所に注目。「弁護士の立場から見ると、ちょっと違和感がある」とした。というのも、密室で行われることが多い性犯罪では「通常、物的証拠はないのが当たり前」と指摘した。
また、松本が声明の中で「(ホテルの飲み会に)参加された女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます」と“謝罪”したことについても、「仮定の表現なので、これだとお詫びの表現には当たりません」との見解を示した。
さらに番組MCの上沼恵美子が、松本のキャリアを左右する大きな訴訟を請け負った弁護士に支払われた金額について質問。これに本村氏は「松本さんは週刊文春に対して、5億5000万円の支払いの請求をしたわけなんですね。ボクの場合だったら、もし、松本さんじゃなくても、『5億円の請求の裁判をやってくれ』って言われたら、着手金として1500万円を最初にいただきます」とし、最終的な結果に関係なく、相応の金額を初めに受け取るのが普通だという。
「上沼はこの金額に『きゃっ!』と驚きのリアクションを見せ、『松本さんしかできひんで』とも話していました。今回、松本は自ら訴訟を取り下げ、5億5000万円の賠償だけでなく、記事の訂正も叶わずに終わり、結局は1500万円の着手金を支払っただけという格好になります。さらに本村氏によると、その着手金に加えて、国に納める訴訟費用や印紙代が167万円ほどかかるとも説明。松本からすると、失うものがかなり多かった訴訟劇となり、視聴者からは『弁護士がそれに見合うような働きをしたとはとてもじゃないけど思えない』『そもそも“闘いまーす”とか言って見切り発車したのが間違い。周りに彼を止められる人がいればよかったね』などの反応がネットに上がっています」(テレビ誌ライター)
裁判が終結し、今後の焦点は松本がどのタイミングで活動を再開するかということに移っている。ただ、そのためには今回の一連の騒動を、記者会見はしないそうだが、やはり何らかの方法で“自分の口で説明する”というプロセスが求められるのではないだろうか。
(木村慎吾)