放送中のドラマで「イヤな夫」を演じている田中圭と向井理。「わたしの宝物」(フジテレビ系)で田中演じる宏樹は、会社で溜まったストレスを妻の美羽(松本若菜)にモラハラすることで自分を保っていたが、美羽との間に栞が誕生したとたん、優しい夫かつ子煩悩な父に大変身。
ところが栞は自分の子どもでないと知り、これまたてのひらを返すように美羽を冷たく切り捨てたのは11月21日放送の第6話でのことだ。一方の「ライオンの隠れ家」(TBS系)で向井演じる祥吾は、妻の愛生(尾野真千子)と息子の愁人(佐藤大空)がいなくなったことを警察に届け出たため、世間から「母子行方不明事件」として注目され「かわいそうな父親」とレッテルを貼られているが、実は妻と息子に暴力をふるうDV男であることが11月23日放送の第7話で明らかになった。
田中も向井もいわゆる塩顔で、笑顔でいれば柔和な雰囲気を醸し出すが、目つきを鋭くするだけで印象がガラリと変わり、薄情で冷酷な雰囲気を漂わせることができるため、このキャスティングは大正解と言えるだろう。田中演じるモラハラ夫の宏樹には本気でムカついて腹が立つし、向井演じるDV男・祥吾の恐ろしさから、「自分が犯罪者だとウソをついてでも息子を守りたい」と獄中でつながれている愛生の気持ちが痛いほどよくわかる。
塩顔俳優の代表格とも言える田中と向井が、これからどれだけ作中で「イヤな男」になるのか、しっかりと見届けたい。
(津島修子)