不倫相手との子供を、夫の子と偽って産み育てる「托卵」がテーマで放送開始前から注目度が高かった木曜ドラマ「わたしの宝物」(フジテレビ系)。7月期ドラマ「西園寺さんは家事をしない」(TBS系)で連ドラ初主演を果たした松本若菜が2クール連続で主演した話題作だが、
「しかも『西園寺さんは―』とはまったく異なる『悪女』役ということでもインパクトがありました。ただ、物語が進むにつれ、本当の悪女は別にいるのではと考える視聴者が増えていったんです」(テレビ誌ライター)
視聴者のやり玉に上がったのは、主人公・神崎美羽(松本)の年下の親友でシングルマザーの小森真琴(恒松祐里)。真琴は美羽の夫・宏樹(田中圭)に対し、美羽が生まれたばかりの娘を巡り夫を裏切っているであろうことを忠告。ショックを受けた宏樹は娘の栞を連れ、あわや入水自殺をはかるところまで追い込まれてしまう。
それだけではない、真琴は美羽に対しても厳しく詰め寄り、神崎家を完全に崩壊させてしまったのだ。
そんな真琴の悪女ぶりは12月5日に放送された第8話でも止まらない。離婚を決意した宏樹の気持ちを受け入れると語る美羽に対して、真琴は心配顔で「その気持ちは変わらないんですね?」と問いかけると、「栞ちゃんだけは手放しちゃダメだと思います」と持論を語ったのだ。
「いかにも理解者然という態度で美羽に寄り添いますが、『そもそも神崎家をズタズタに引き裂いたのはアンタのチクリだろう』などと視聴者は非難ゴウゴウです。宏樹行きつけの喫茶店のマスター・浅岡(北村一輝)の言葉ではないですが、他人の家庭の事情に首を突っ込んで2人を傷つけてしまった張本人ですからね。美羽に娘を手放すなと執拗に主張するのも、離婚が成立した暁には、自分が以前から好意を寄せていた宏樹と一緒になりたい、宏樹のそばに栞ちゃんがいるのは不都合という思惑があるのではと勘ぐる声も少なくないようですね…」(ドラマウォッチャー)
しかし第8話では、そんな真琴を上回るような悪女っぷりを見せた登場人物がいた。水木莉紗(さとうほなみ)だ。美羽の不倫相手・冬月稜(深澤辰哉)の同僚で、冬月に思いを寄せる女性だ。
莉紗は美羽に会うことを画策。宏樹や冬月を騙してまで美羽との対面を果たした莉紗は、冬月が自分の同僚で大切な人であることを明かす。
そして冬月がアフリカで事故に遭いながらも美羽と一緒になるという約束を信じ、帰国して連絡が取れなくなった美羽を必死に探していたことを語り、美羽が冬月を傷つけたと一方的に非難。冬月と不倫した美羽を許せないと言い放ったのだ。
莉紗の自分勝手すぎる言い分にも、視聴者の怒りは頂点に。
「莉紗は、冬月を美羽の元に返したくない一心で、アフリカで事故死したのは冬月だと偽った。冬月の子供を妊娠したことがわかった美羽は“冬月死亡”の報に触れて、彼の子を残したいと産むことを決め、宏樹の子として育てる決意をしたのです。莉紗が下手なウソをつかなければ、美羽は宏樹と別れて冬月を待っていたと思われます。つまり冬月を苦しめることになったのは、莉紗のウソが原因なのですが、そんな自分の浅はかさをおくびにも出さずに美羽ひとりに責任をなすりつける莉紗に、背筋が寒くなった視聴者は少なくなかった」(前出・ドラマウォッチャー)
残り2話、どんな修羅場が待っているのだろうか?
(石見剣)