友人から新しいギャンブルを教えてもらった。「ピスト6」なる競輪に似て非なる自転車競技らしい。怪しい博奕ではなく、千葉市主催のれっきとした公営ギャンブルだ。しかし、伸び悩む集客への対策なのか、紹介キャンペーンを行っているという。
結局、友人は自身の紹介で俺に登録してほしい様子なので、ひとまず詳細を確認する。うまくやれば儲かりそう。一度、試してみることにした。
新規登録には免許証など本人確認書類は必要だが、アプリをダウンロードせずともブラウザ上で簡単に登録ができるためお手軽だ。完了すると、すぐに500ポイントがもらえた。追加でクレカにて1000円をチャージすれば1000Pゲット。さらに紹介コード入力して1000円分投票すると即時と数日後の2度500Pずつ付与されるのだ。合計2500Pになるが、条件ごとに小分けにして時間差で付与されるのは複数回投票させたいからだろう。ポイントは的中して払戻金にしないと出金できない。当然ながら賭けに負ければ失うことになる。慎重にベットしたい。
公営ギャンブルで無難に当てるには、3着中の2車を当てるワイドの1番人気に賭けるのが定番だ。ひとまず現金チャージ1000円を1番人気の組み合わせに賭けてみると、無事当たった。オッズ1倍なので増えもしないが、1000円は獲得。すぐに出金しておく。
これでマイナスはない。ここで、意外なことに気がついた。ピスト6ではポイントを使うとワイドと単勝へ投票ができない仕様なのだ。キャンペーンポイントを簡単に現金化されないための対策なのか…。
2日後、すべてのポイント付与が完了した。ワイドや単勝に次いで当たりやすい投票方法である2車複(1着2着の2車を順番問わずに当てる)に賭けることにした。人気が集中しているレースを選択し、オッズ倍率が一番低い1.5倍に2500Pを投票。運良く的中できて払戻金は3750円となったが、ハラハラさせられる展開だった。
和田虫象(わだ・むしぞう):1980年生まれ。専門学校卒業後、芸能活動をするも芽が出ず、底辺ライター兼便利屋に。ニート気質ではあるが「きっついお仕事」「俺の旅ーニッポン縦断強制放浪」(いずれも鉄人社刊)の著書がある。