Jリーグ開幕から30年余。発足期を支えたのが三浦知良だ。この日本サッカー界のレジェンドがいかにしてJリーグ人気を盛り上げてきたのか。40年にわたる道のりが、1月20日放送の日本テレビ系「しゃべくり007」で語られた。
スタジオには「Jリーグバブル四銃士」として都並敏史氏、武田修宏氏、前園真聖氏、岡野雅行氏も出演。ヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)で活躍した武田氏は、
「Jリーグができる前は月30万から50万円くらい(の収入)だったんですけど、Jリーグができたら月500、600になって。(年収)1億円を超えるようになったんです」
リーグ発足期のバブルぶりを回想して、続けた。
「当時は代理人もいなかったんで、僕が直接ヴェルディ川崎の社長さんに『6000万円でお願いします』って言ったら、(向こうから)『いや8000万円でお願いします』って言われて。0が1個増えましたね。カズさんは多分、僕らの2倍くらいはもらってたんじゃないかな」
カズはニヤリと笑みを浮かべるのみで、否定も肯定もせず、こう話した。
「基準がプロ野球だったんですよ。同じくらいの年齢でいうと、清原さんとか桑田さんが“億”をもらっていて。僕は僕で当時若かったし、プライドもあった。ブラジルでプロで活躍してきた選手は、プロ野球で活躍してる選手と同じくらいもらってもいいんじゃないかという自分の考え方があったんで」
開幕初年度にMVPを受賞したカズは、ヴェルディとの契約交渉で同じ読売グループの巨人で活躍する2人の名前を挙げると、年俸額は大きく跳ね上がったのだという。
「カズは15歳という若さでサッカー王国ブラジルへと渡り、CAジュベントスで4年間プレー。19歳の誕生日の2日前に、かつてペレも所属していた古豪サントスFCとプロ契約。海外の厳しい環境下で実績を積み重ねてきました。93年のJ発足時は26歳とキャリア絶頂期を迎えており、ヴェルディとしてもチームのスターを他クラブに引き抜かれたくないという思いがあったのかもしれません。当時の報道によれば、94年時点でカズの推定年俸は1億5000万円。Jリーグ黄金期の97〜98年には2億4000万円と推定されています。これは当時の世界のサッカー選手の中でもトップ5に入る金額です」(スポーツライター)
1998年のヴェルディ退団後は、イタリアのジェノアFCや、クロアチアのディナモ・ザグレブなどでプレーしている。まさに、世界を股にかけた活躍は、多くのサッカー少年を魅了しており、その存在は金額以上の価値をもたらしたといえるだろう。
(木村慎吾)